国連広報センターの根本かおる所長は、2025年3月2日~9日に南スーダンを訪問し、同国に展開する国連PKOの「国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)」の活動を視察しました。国連の代表的な平和活動である国連PKOの最前線を、シリーズでお伝えします。
第6回 「日の丸」の重み
今回の南スーダンへの出張では、重要な目的の1つとして、自衛隊からUNMISS司令部に派遣されている方々にお目に掛かり、それぞれのやりがいや手ごたえなどについてお話をうかがうことがあった。と言うのも、部隊での派遣とは異なり、合計6名という少数での個人派遣であり、「日の丸」の重みがそれぞれの肩に圧し掛かる中での任務だろうと思ったからだ。
南スーダン訪問中に6名のうちの4名の方々からお話をうかがうことができた。皆、自ら志願し、大きなやりがいを感じながら活動している。
施設、情報、兵站、航空運用と任務は様々だ。国連PKOへの参加を志して自衛隊に入った方や、東日本大震災と津波への対応の経験を世界に還元したいと考えた方など、強い思いを持って関わり、日本の自衛隊だからこその強みと信頼を自分自身もつないでいこうと努めている。隊員の方々は国連広報センターのブログに寄稿してくださることになっており、任務の詳細や手ごたえなどについてそちらもご覧いただきたい。

いずれの方についても、日本に残してきた家族とのきずなを保つ上で工夫し、かつ自身の南スーダンへの派遣が、自衛隊の先輩や家族を含め、多くの人々の支援と協力があって成り立っていることに感謝する姿勢が強くあり、大変印象的だった。
彼らの仕事ぶりについて、UNMISS民政部長の平原弘子さんのもとにも彼らの働く部門の関係者らから好意的な評価の声が寄せられていると言う。
世界で一番新しい国・南スーダン共和国。平原さんは日本から遠く離れたこの国での勤務が13年にもなる。南スーダンの人々に関与し続ける理由について、平原さんに聞いた。
南スーダンでの経験が自分自身の成長の糧になったと平原さんは言う。南スーダンの人々や国連PKOで働く様々な国籍の職員らは、敗戦後焼け跡から復興した日本がこれまでに勝ち得てきた評価と信頼を、この連載で取り上げてきた邦人職員や自衛隊員らの仕事ぶりや人柄を通じて再確認しているのかもしれない。
グローバル化の進む今日にあって、一国の安全保障の課題は地域全体を不安定化させ、それが飛び火して国際的な安全保障のリスクになりかねない。アフリカ大陸の不安定化は瞬く間に中東やヨーロッパを揺るがせ、あらゆる意味でグローバル化の進んだ今日、日本を含む東アジアにも早晩影響をもたらすことになる。さらに、気候変動の影響でギリギリにまで追い詰められた社会は、紛争に陥りやすくなるが、本をただせば、その気候変動の原因の多くの部分を、温室効果ガスの大量排出という形で豊かな国に生きる私たちが作ってしまっているのだ。そして、気候変動の課題に国境はなく、世界中の人々は一蓮托生、同じ宇宙船地球号に乗っている。
まさに5月13、14日の両日、日本も共同議長国の一つとしてプロセスに関わってきた国連PKO閣僚級会合が、ドイツの首都ベルリンで開催され、国連PKOの将来が議論されている。そして、今年は8月20日から22日まで横浜で第9回アフリカ開発会議が開催され、アフリカ諸国から多くの首脳の訪日があり、アフリカが話題になる機会も増えるだろう。是非国連PKOへの参画を国益という観点からも見つめると同時に、アフリカと日本とをつなげて考える機会にして欲しい。
