所長の根本です。
国連の活動、キャリアや生き方などについて、講師としてお招きいただき、講演する機会がたくさんあります。場所は全国津々浦々。今月は東京、札幌、堺の大学や高校などで、合計5回講演します。ウェブサイトや新聞・テレビなどのメディア通じての発信もありますが、やはり、場の空気を共有しながら、直接自分の想いを伝える講演での一期一会は大切にしています。
そんなワケで、これぞという人の講演には、小まめに足を運び、話し手の「気」をもらうようにしています。1月18日に上智大学で開かれた国際シンポジウムで聴いたエイミー・グッドマンの講演は、「声なき声を伝える」という、私がそもそもジャーナリズムで志した想いを思い出させてくれました。
エイミー・グッドマンはアメリカの代表的な独立系メディアの報道番組『デモクラシー・ナウ!』の総責任者です。ウェブベースで日本でも視れるので、格差や紛争などのハードなテーマについて、視る者に考えさせるソフトな語り口で伝えるエイミーに魅かれ、楽しみに視ている視聴者の一人です。
講演で最も印象的だったのは、エイミーが1990年から91年にインドネシア占領下の東チモールで、インドネシア軍が行った大虐殺事件に遭遇した時のエピソードです。アメリカの軍事支援を受けたインドネシア軍による「ディリ虐殺」を、事実に遭遇した者の責任として報道した信念には、彼女のジャーナリスト魂を見たように感じました。
日本でもIWJ(Independent Web Journal)などの独立系メディアが少しずつ育ちつつあります。講演でエイミーは「silence majorityではなく、silenced majority」と強調しましたが、沈黙を余儀なくされている人々の声をすくうのは、国連の姿勢の方向性とも同じこと。私の「伝える使命」に火を着けてくれる講演会でした!
リンク
デモクラシー・ナウ!:http://www.democracynow.org/
国際シンポジウム:http://welcomeamy.info/tokyo/
エイミー・グッドマン: http://welcomeamy.info/
IWJ: http://iwj.co.jp/