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写真でつづる、アントニオ・グテーレス国連事務総長の訪日

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、第9回アフリカ開発会議(TICAD9)、2025年大阪・関西万博に出席するため、2025年8月下旬に訪日しました。事務総長としての訪日は2年ぶり、7回目です。

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TICADとは、Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略称であり、アフリカの開発をテーマとする国際会議です。今でこそ中国、韓国、アメリカなどがアフリカの首脳を集めた国際会議を開催するようになっていますが、冷戦の終結後、アフリカへの国際社会の関心を呼び戻すきっかけを創出しようと第1回のTICADが開催されたのは1993年のことで、30年以上の歴史があります。日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、およびアフリカ連合委員会(AUC)と共同で開催しています。

TICAD9では、石破茂総理大臣が共同議長を務め、アフリカから33人の首脳級を含む49カ国の代表らが参加。会場には、国際機関、民間企業、国会議員、市民社会の関係者らが国内外から訪れ、熱気に包まれていました。

TICAD9開会にあたって行われたフォトセッション。今回は「アフリカと共に革新的な解決策を共創する」 というテーマが掲げられた ⒸUN Photo/Ichiro Mae

事務総長はオープニング・セッションの冒頭で「アフリカのための開発ではなく、アフリカと共に行う開発に、明確に注力する必要があります」と発言し、アフリカのポテンシャルに光を当てる上でのTICADの役割を強調。そのために必要な5つの優先課題は、 ①グローバル・ガバナンス改革 ②持続可能なバリューチェーン地域統合に向けた投資 ③人工知能(AI)を含むデジタル活用 ④若者と女性の参画 ⑤持続可能な平和 だと説明しました。

TICAD9のオープニング・セッションで挨拶では、日本のアフリカ大陸との協力の在り方に敬意を表した ⒸUN Photo/Ichiro Mae

続いて、石破茂総理大臣との会談に臨み、大阪・関西万博、TICAD9の主催に対し、謝意を伝えました。さらに、日本のマルチラテラリズム(多国間主義)に対する長年のコミットメントと国連への揺るぎない支援に深い感謝を示しました。

TICAD 2日目の21日は、記者会見を実施。国内外から数多くのメディアが参加しました。事務総長は、TICADサミットでの議論では、①平和 ②グローバル・ガバナンスと金融 ③気候行動 ④デジタル・トランスフォーメーション の4分野で、アフリカとのパートナーシップによる解決策の強化に焦点を当てると説明しました。

TICAD9会場で開かれた記者会見では、「日本は開発協力におけるチャンピオンです」と発言 ⒸUN Photo/Ichiro Mae

一方、ガザ市の大規模な破壊が進んでいることを受けて、停戦の呼びかけをこの会見でも改めて表明。イスラエル当局によるヨルダン川西岸地区への非合法な入植活動を国際法違反だとも強調し、発言は国内外の報道で、広く取り上げられました。

期間中は、限られたスケジュールの中で、日本の関係者らとの会談も重ねました。

独立行政法人国際協力機構(JICA)の田中明彦理事長との会談 ⒸUN Photo/Ichiro Mae

TICAD9開催地の横浜市の山中竹春市長との会談 ⒸUN Photo/Ichiro Mae

また、ガーナ、ケニアの大統領とも、それぞれ会談を実施。協力分野、地域情勢に焦点があたりました。

22日は、大阪・関西万博を訪問。国連スペシャルデーに参加したほか、政府や2025年日本国際博覧会協会など関係者との会談や、日本館、国連パビリオン、出身国であるポルトガルのパビリオンの視察を実施しました。

万博迎賓館での一枚。事務総長のほか、承子女王殿下、宮路拓馬外務副大臣、国連機関の関係者などが参加した  ⒸUN Photo/Daisuke Tanaka

万博迎賓館では関係者が見守る中、記帳した ⒸUN Photo/Daisuke Tanaka

日本館では、持続可能な開発目標(SDGs)の推進に向けて、国連と広報面でも協力しているハローキティが展示されている ⒸUN Photo/Daisuke Tanaka

出身国であるポルトガルのパビリオンも訪問。「海、青の対話」をテーマに、海洋生態系の保全と持続可能な経済成長を組み合わせた解決策を紹介している ⒸUN Photo/Daisuke Tanaka

国連スペシャルデーのスピーチでは、万博の意義について、「未来を描くことは政府だけの仕事ではなく、私たち全員に共有の責任がある。そのことを万博は再認識させてくれます」と強調しました。

スピーチでは、「万博を作り上げられたことは、国際的な対話や協力への日本のコミットメントの証し」と語った ⒸUN Photo/Daisuke Tanaka

35の国連諸機関および15の国連事務局の部局が集結する国連パビリオンのテーマは、「人類は団結したとき最も強くなる。」(United For a Better Future)です。

国連パビリオンの没入型映像では、事務総長が登場し、人類が団結すれば実現できる「持続可能な未来」のビジョンを紹介している ⒸUN Photo/Daisuke Tanaka

地政学的対立が深まる中、創設から80年を迎える国連の役割や意義、今後のビジョンについて、日本においても、事務総長の口から改めて発信する機会となりました。

会談や式典の合間に、国連広報センターの職員、国連パビリオンのスタッフとも写真を撮影した (上: ⒸUN Photo/Ichiro Mae, 下:ⒸUN Photo/Daisuke Tanaka)