皆さんは、今年で国連が創設されて75年になることをご存じでしょうか?
国連は、2つの世界大戦を経て、国際平和と経済・社会発展の実現を誓った国々によって1945年に生まれました。
創設75周年の節目を、世界中の人々の声に耳を傾ける機会にしたいというアントニオ・グテーレス事務総長のたっての希望から、国連が立ち上げたのが「UN75」です!
UN75とはシンプルに説明すると、
国連が創設100周年を迎える2045年までに全ての人にとってより明るい未来を構築するために、私たちが今取るべき行動や国際協力の重要性について考えよう!という対話の促進を目指したイニシアティブです。
未来を見据えた国際的な対話をするなかで、UN75は以下の問いを投げかけています。
- 私たちはどのような未来をつくりたいのか?
- それを実現できる目途は立っているか?
- そのギャップを埋めるためには、どのような行動が必要か?
UN75は、グローバルな課題の解決に熱い思いをもっている人にも、それほど興味がなかった人にも、全ての人に「対話」への参加を呼びかけています。そして、こうした議論を通して、気候危機やデジタル技術による人権侵害といった深刻な課題の解決に様々な組織や人々と取り組んでいこうとしています。
国連広報センターは、このUN75を日本の皆様に知っていただくイベントとして、2月17日(月)に「国連創設75周年記念講演~一緒につくろう、私たちの未来~」を国連大学本部ビルにて開催しました。
本イベントでは、国連本部のキャサリン・ポラード管理戦略・政策・コンプライアンス担当事務次長が、日本を含む世界中の人々が共に2045年までによりよい世界を形づくるために、UN75の対話へ参加するよう、日本の人々に呼びかけました。
今日の、新しい類の紛争や暴力、環境問題といった多くの深刻な問題は世界的に起こっています。このような問題は日本にとっても決して他人事ではなく、むしろステークホルダーの一員として積極的に取り組むべきであると語りました。
参加者からも「テクノロジーの進歩は社会の分断を繋ぐ役割を果たすのか、それとも社会の脅威となってしまうのか?」と、テクノロジーが諸刃の剣となる可能性を指摘する声がありました。ポラード事務次長は、「テクノロジーの分野では、まだガバナンスのシステムが出来ていないことが課題。国連は加盟国とこのシステムの構築を目指している」と答え、グローバル協力の必要性を強調しました。
そして、将来、社会の中枢的な存在となる若者を中心に、積極的にUN75の対話に参加してほしいと繰り返しました。
国連におけるキャリアについて
ポラード事務次長は、約30年にわたる自身の国連でのキャリアを振り返り、「国連以外の組織で働いていたとしても、自分はおそらく実績を作ることが出来たと思う。ただ、物事を多角的な視点から分析する力を培えたのは、国連で働いてきたからだ」と思いを熱く語りました。
国連で働くということは、グローバルな課題解決への貢献の具体的なアクションの一つでもあります。
同じくニューヨークの国連本部から訪日した人事担当のホンソク・クォン氏も自身の経歴に触れながら、国連における幅広い職務から選考法、そして国連が求める人材について話しました。また国連は、ジェンダー、出身国、障がいなどのバックグラウンドが多様な人々が働く職場を目指していることを紹介しました。
冒頭で挨拶された外務省総合外交政策局の山中修参事官も、日本政府としての支援策について語った国際機関人事センターの村林弘文室長も、より多くの日本人に国連職員として世界中で活躍してほしいと呼びかけました。
参加者からは、国連でのキャリアに関する具体的な質問が多く寄せられました。将来国連で働きたいと思いつつも、なかなかイメージが湧かなかった参加者にとっては、自分のキャリアを考え、具現化するためのヒントを得る機会となったのではないでしょうか。
グローバルな対話に参加する方法
国連創設75周年を記念して立ち上げられたUN75。独力では解決出来ない深刻な課題に向き合い、明るい未来を築き上げていくには、全ての人がこのUN75の対話に参加する必要があります。
皆さんの声は様々な方法によって国連に届けることが出来ます。
国連広報センターのウェブサイトにはUN75の特集ページが設けられており、誰でも簡単にグローバルな対話に参加できる方法を紹介しています。
わずか1分で出来るアンケートや、ツールキットなど様々な情報を掲載しています。
また、インスタグラム、ツイッター、フェイスブックそしてユーチューブには特設アカウントがあります!
各ソーシャルメディアにおいて#UN75のハッシュタグを使用することで、皆様の声を世界に発信するとともにUN75の対話に参加することが出来ます!
ぜひ、この機会に皆さんもグローバルな対話に参加して、より良い未来を構築するために一歩動き出してみませんか?