国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

ジャパンSDGsアワード受賞団体そろい踏みの会は、会場も巻き込んですごい熱気でした!

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国連広報センター所長の根本です。2018年もどうぞよろしくお願いいたします。

新しい年になってからも、様々なセクターからSDGsに関する企画のご提案が次々と弊センターに寄せられています。SDGsの実施3年目の今年はSDGsが日本社会に一層定着して広がっていくだろうと年初から手ごたえを感じている次第です。  

そんな中、先日個人的にも感慨深い会合がありました。日本政府はSDGsの推進について顕著な功績のあった団体を顕彰する「ジャパンSDGsアワード」を設け、その第一回の受賞者の発表が年末の12月26日にありました。内閣総理大臣賞1団体、内閣官房長官賞3団体、外務大臣賞2団体、SDGsパートナーシップ賞6団体の計12団体表彰されましたが、その全受賞団体の代表が全国各地から勢ぞろいしてプレゼンテーションするという政策分析ネットワーク主催のシンポジウムが1月20日に開催されたのです。私も外務省でSDGsを統括している地球規模課題総括課の甲木課長、朝日新聞SDGs取材チームの北郷記者とともにコメンテーターの一人として参加しました。 

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左から外務省国際協力局地球規模課題総括課 甲木 浩太郎 課長、国連広報センター 根本かおる所長、朝日新聞社 北郷 美由紀 報道局デスク

「ジャパンSDGsアワード」に関しては、審査員の一人として280余りの応募書類を読み込んで採点するという「産みの苦しみ」に携わってはいるものの、当事者によるプレゼンテーションに触れるのは初めてでしたから、大いに刺激を受けるとともに、苦労して審査した甲斐があったと感じ入った次第です。会場に補助椅子を多数用意するほどの満席で、3時間という長丁場ながら集中して聞き入ってほとんどの方がプログラムの最後まで残り、スピーカーの情熱と会場からの発表者に向けられる熱い視線との相乗効果で、会場は実に熱かったです!組織のトップが遠方から駆けつけてプレゼンテーションしてくださるケースも多く、トップの思いがチームに共有されてチームからの問題意識と共感に裏打ちされるという、トップ・ダウンとボトム・アップのバランスが取れていると感じられました。

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満席の会場

今回各審査員の審査を集計してみると、図らずも上位に企業、自治体、協同組合、NPO、大学、小学校と多様なアクターが選ばれ、また業態・文脈も化学製品、飲料メーカー、流通、エンターテインメント、国内での障害のある被災者支援、妊産婦支援の国際NGO、ESDを核にした大学、イノベーションを核にした大学、ユネスコスクールのネットワークを広げた小学校、公害を乗り越えた工業都市、山間地の自治体と、実に多岐にわたるものでした。まさにマルチ・ステークホルダーで取り組むSDGsの美しさと新しさを体現するような受賞結果となりました。

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第1回ジャパンSDGsアワード報告会に登壇した参加者とともに

さらに、MDGs、ESD、環境未来都市など、SDGsができる前からあった枠組みを活用して長年活動を蓄積してきた団体も多かったのも特徴です。SDGsという新たな武器・世界共通の物差しを得て、SDGsの新たな切り口、すなわち「誰も置き去りにしない」という包摂性の原則や「普遍性・統合性」という国内と国外、分野間を密接不可分につなぎながら取り組む姿勢や、様々なアクターを巻き込む「参画型」などを通じてそれまでの活動の積み重ねにさらに付加価値をつけて取り組もうという気概がビンビン伝わってきました。SDGsには、世界レベルの議論に政府の対応をまたずに民間や地方自治体が直接つながることのできる「窓」の役割もあり、やる気のある団体はどんどん行動を先に進めていることが見て取れました。さらに、それぞれの団体で核になる分野・ゴールをいかに有機的に総合力で推し進めているのかという点は、自分自身の日頃のマネージメントを考える上でも大いに参考になります。

発表してくださった受賞団体の代表の方々は以下の通りです。

ジャパンSDGsアワードは今後も続きますから、より多くの団体の方々にチャレンジしていただきたいと願っています!

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報告して下さった第1回ジャパンSDGsアワード受賞者のみなさん