所長の根本です。
ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関、UN Womenのムランボ=ヌクカ 事務局長が、就任後初めて3月25日から28日まで日本を訪問しました。昨年の国連総会演説で安倍総理が日本でも国際的にも「女性が輝く社会」の実現に向けて決意を表明したこともあり、大いに注目を浴びた国連幹部の訪日でした。
在京の国連機関の代表らと懇談では、ヌクカ事務局長は安倍政権の「ウーマノミクス」に寄せる期待とともに、21日まで行われた国連の「女性の地位委員会」での動向や、ポスト2015開発目標の議論においてジェンダー平等と女性のエンパワーメントをどのように盛り込もうとしているのかなどについて熱く語りました。出身の南アフリカで副大統領を務めたヌクカ事務局長は、「アパルトヘイトを終わらせるのだというほどのコミットメントが女性の課題についてはまだ生まれていない。世界の女性の3分の1、つまり10億人の女性が暴力を受けて苦しんでいるという事実に、立ち上がらなければならない」と毅然に述べる姿がとても印象的でした。
UN Womenはジェンダー平等のためには男性の理解と参加が不可欠だとして、heforsheキャンペーンを立ち上げています。heforsheキャンペーンには安倍首相も参加し、「日本は女性に、輝く機会を与える場でなくてはなりません。2020年までに、指導的地位にいる人の3割を、女性にします。」と約束しています。
訪日のしめくくりに日本記者クラブで開かれた記者会見は、いつもの記者会見とは異なり、記者の半数が女性で、ここでもマスコミで働く女性記者たちが寄せる熱い視線が感じられました。
国連広報センターで女性の権利とエンパワーメントを広報発信の柱の一つに据えて様々な取り組みを行っているだけに、ヌクカ事務局長の人柄に触れることができて個人的に大変励みになりました!UN Womenは来年東京に事務所を開設することから、同じ国連ファミリーとして一層連携を強められればと願っています。