国連広報センターの根本かおるです。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延する中での広島・長崎での平和式典に、昨年に続き今年も、中満泉 国連事務次長・軍縮担当上級代表がアントニオ・グテーレス国連事務総長の名代として参列しました。
日本滞在中、多くの政府関係者、被爆者や若者を始め市民社会の皆さま多くにお目にかかりました。そして広島・長崎での平和式典に参列させていただきました。核廃絶への国連の揺るぎないコミットメントです。来年はNPT再検討会議、そして核兵器禁止条約第1回締約国会議。重要な年になります。 pic.twitter.com/Y6EF3c4na2
— 中満泉 (@NakamitsuUN) 2021年8月19日
2017年に国連の軍縮部門のトップに就任して以来、中満事務次長は毎年欠かさずこれらの式典に参列し、今回で5回を数えることになりました。昨年同様、COVID-19対策上の防疫措置として2週間の隔離期間を経ての出席に、決意の程がうかがえます。「被爆者の方々に対して、今の立場にある限り毎年出席することを約束していますから」と中満事務次長は語ります。
2017年7月に採択された核兵器禁止条約が今年1月に発効してから、初めての式典であると同時に、COVID-19の世界的大流行の勢いが衰えを見せない中、今年初めてのニューヨークの国連本部からの高官の訪日です。国連広報センターでは、中満事務次長の力強いメッセージに多くの方々に触れていただきたいと様々なイベントやメディア出演・インタビューをサポートました。
— Kaoru Nemoto (@KaoruNemoto) 2021年8月7日
広島の平和記念式典に、2017年の軍縮担当国連🇺🇳事務次長 就任以降 5年連続で出席した #中満泉 さん
広島で、#日本テレビ 系列の #広島テレビ のインタビューを受け、思いと願いを語りました @NakamitsuUN
中満泉国連事務次長 特別インタビュー #日テレNEWS24 #日テレ #ntv https://t.co/Z0ZhJls9eq
スポーツを切り口に持続可能な開発目標(SDGs)達成にむけた取り組みやアイディアを共有する国連と朝日新聞社とが主催したオンラインイベント「SDG ZONE at TOKYO」シリーズでは、その開幕セッションで「平和と開発のためのスポーツ」をテーマにした議論に登壇。国連の平和オペレーションや人道支援・開発など幅広い分野に従事した経験も基に、スポーツの力が紛争や危機に直面した社会で信頼を醸成したり若者がよりリーダーシップを発揮する手助けをしたりと、コネクターとしてのスポーツの役割について熱く語りました。
さらに、国際的なキャリアに関心のある若者たちを対象に外務省 国際機関人事センターが開催したオンライン・セミナーに出演し、自らの若かりし頃のエピソードを交えた基調講演を行うとともに、国連職員・幹部に求められる資質など、質疑応答では時間が許す限り質問やコメントに丁寧に回答する姿が印象的でした。
「自分が何をしたいのか・どういった分野で貢献できるのか・なぜそうしたいのか」というWHATとWHYへのこだわり、ビジョンを示し背景の異なる関係者を納得させるだけのコミュニケーション力、混沌とした中から核となるプリンシプルを紡ぎ出す洞察力など、中満事務次長の長い国連での経験から、国連幹部職員に必要だと痛感される素養について多くの踏み込んだアドバイスが共有されました。ほかのイベントではなかなか触れることのできない、強いメッセージが詰まったイベントとなりました。
報道番組へのライブ出演での議論は、「核なき世界への羅針盤」と題して、来年開催の核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議や核兵器禁止条約第1回締約国会議をめぐる議論をはじめ、米中ロの動きと日本の役割、新興技術の兵器転用をめぐる最新動向についてグローバルな知見を共有しました。さらには「ジェンダー平等への取り組み促進は日本の死活問題」にも議論が拡がりました。
👉きょうの一部見逃し配信
— 深層NEWS【公式】 (@sinso_news) 2021年8月10日
【核兵器なき世界への羅針盤】#中満泉
全編は…TVerで8月11日(水)よる8時から配信
👉次回8月11日(水)の #深層NEWS は
【テーマ】総裁選&衆院選の行方
【ゲスト】#岩井奉信 #三浦博史#BS日テレ でよる10時から生放送 pic.twitter.com/kplh4QSeWo
私はスタジオで立ち会いましたが、ゲストも女性、番組側出演者も全員女性で軍縮・安全保障の丁々発止の議論を1時間みっちり行ったのは、日本の軍縮・安全保障をめぐる環境において非常に画期的だったと感じています。
公務の締めくくりとして、8月11日の日本記者クラブで「岐路にある軍縮と安全保障:AI・サイバー・宇宙と核兵器をめぐって」をテーマに記者会見を行いました。何と、偶然にも昨年同クラブで記者会見したのも8月11日で、中満事務次長がメディアに対してメッセージを伝えることを重視していることの表れでしょう。
この記者会見は新興技術の軍事転用や宇宙利用も含め、速いスピードで進んでいる軍縮・安全保障の議論の最前線に直接触れる機会であり、是非多くのメディア関係者や国際政治を学ぶ学生の方々に上記の会見の録画を視聴していただければと願っています。
来年1月のNPT再検討会議・3月の核兵器禁止条約第1回締約国会議で成果を出し、21世紀型の新しい安全保障・軍縮のアプローチを紡ぎあげるためにも、中満事務次長の奔走が続きます。