国連広報センターの根本です。中満事務次長が訪日し、広島・長崎への原爆投下から75年という重要な節目で行われる式典にグテーレス国連事務総長の名代として参列しました。滞在期間中は、被爆者や若者、政府、市民団体などと意見交換を行ったり、オンライン・イベントにも参加しました。
2017年に軍縮担当に就任して以来、毎年参列を欠かさず、被爆者の方々にも今の立場にある限り毎年出席することを約束していました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が拡がる中、訪日前にアメリカでPCR検査を受け、日本到着後、入国時にも再度PCR検査を受け、2週間の自主隔離をした上での出席です。並々ならぬ参列への並々ならぬ決意を感じます。国連広報センターにとっても、COVID-19の感染拡大が始まって以来、初めての国連の高官の訪日となります。
【国際】核軍縮の現状は 中満泉・国連事務次長に一問一答https://t.co/z7lFEHPD9F
— 東京新聞(TOKYO Web) (@tokyo_shimbun) August 3, 2020
東京
広島での平和記念式典を控えた8月3日には、東京都内で茂木敏充 外務大臣を表敬し、日本の国連への大きな協力と貢献に対して感謝を表明。同時に、安全保障環境の悪化が続く中での軍縮・軍備管理の果たす役割と日本への期待などについて意見交換を行いました。コロナに関しても、多国間での協力は不可欠、ワクチンなどで国際支援を続けることは日本として当然という茂木外務大臣の言葉を、中満事務次長は心強く受け止めていました。
また、小泉環境大臣への表敬訪問では、現在の厳しい安全保障環境における軍縮の役割、軍縮における日本への期待や、今後の多国間主義なども含めて幅広い課題について意見を交わしました。
8月4日午前には、最後に、世界保健機関(WHO)のUHC親善大使を務める武見敬三参議院議員を表敬し、新型コロナ感染症(COVID-19)対策へのグローバルな政策協調と国際協力の必要性について意見交換しました。
尾身朝子外務大臣政務官との昼食会でのディスカッションは、軍縮分野を越えた幅広い議題に及びました。
昨日は、尾身朝子外務大臣政務官@asako_omiから、お昼にご招待もいただきました。軍縮問題以外にも、女性の意思決定参加比率を上げるために有益な様々な手法(クオータ制度なども)について意見交換。変革が必要な日本。私と同世代の女性政治家の政務官に、期待しています。 pic.twitter.com/0i6s7Sm7c8
— 中満泉 (@NakamitsuUN) August 4, 2020
午後には山口那津男代表はじめ公明党の議員の方々と、現在の安全保障環境や軍縮をめぐる課題について、核兵器禁止条約に日本がどう向き合うべきかも含めて意見交換。
その日のうちに広島に移動し、5日からは分刻みのスケジュールが始まりました。
広島
広島・長崎への原爆投下から75年の重要な節目において、国連として核兵器のない世界の実現に向けた決意を発信するとともに、被爆者をはじめとする多くの市民の方々と語らいました。
韓国人原爆犠牲者慰霊祭に参列させて頂きました。広島・長崎で被曝した朝鮮半島出身者は約7万人。原爆犠牲者にはその他中国、東南アジア出身の方やアメリカ・オランダ・イギリス人捕虜も含まれます。核兵器は無差別に人を殺戮します。犠牲となられた全ての方に、心から哀悼の誠を捧げます。#核廃絶 pic.twitter.com/Q9F9AgeEex
— 中満泉 (@NakamitsuUN) August 5, 2020
長崎
東京
東京に戻り、11日午前には日本記者クラブで記者会見。
11日の #中満泉 国連事務次長の記者会見は、核軍縮にとどまらず広く国際関係、特に国連に代表される #多国間主義 の現状と打開のみちなど幅広い課題に及びました。国際政治を学ぶ学生の方々には、現場からのリアルな話として格好の教材でしょう。録画はこちらから視聴可能👇https://t.co/2fPjTz1nrb… pic.twitter.com/DJDbaZvOv4
— Kaoru Nemoto (@KaoruNemoto) August 13, 2020
午後には赤坂御所にて天皇・皇后両陛下とのご接見があり、中満事務次長からは、広島・長崎の式典への参列を踏まえ、核軍縮の現状や被爆体験の継承などについて説明しました。両陛下から愛子様の中学卒業文集「世界の平和を願って」が中満事務次長に手渡されました。
「平和」は人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築き上げていくもの」「そう遠くない将来に、核兵器のない世の中が実現し、広島の「平和の灯」が消されることを心から願っている」 両陛下に頂いた、愛子様の中学卒業文集「世界の平和を願って」より。https://t.co/msaX1VeKhd
— 中満泉 (@NakamitsuUN) August 12, 2020
天皇・皇后両陛下へのご接見が今回の訪日の締めくくりとなりました。日本にとって戦後75年、国連にとって創設75年の節目。国連総会の初めての決議が核軍縮に関するものだったということにも、核軍縮が国連にとって非常に重い課題であることが表れています。来年予定されているNPT再検討会議を成功に導くためにも、中満事務次長の多忙な日々は続きます。