国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

気候変動問題に取り組む若者たち~私たちにも何かできるのか~

気候行動サミットに先立ち、9月21日に国連本部(ニューヨーク)で気候変動対策にテーマに絞った若者による初のサミット「国連ユース気候サミット」が開かれました。

気候行動サミットなどで世界のリーダーたちが温室効果ガス排出削減をはじめとする様々な気候変動の対策を議論する中で、140を超える国と地域から若者が集まったサミットの背景と様子をご紹介します。

 

世界中の若者が気候変動問題に立ち上がる

 

f:id:UNIC_Tokyo:20191126151406j:plain

国連本部で気候ストライキを支持する国連職員とその家族 ©UN Photo/Loey Felipe

若者による気候行動を求める動きは、国連ユース気候サミットの前日(9月20日)にすでに盛り上がり始めていました。気候変動対策の強化を企業や国に訴える「Fridays for Future Global Climate Strike(通称:気候ストライキ)」が欧米やアジア、アフリカなど世界各地で行われたのです。主催グループによると、150ヵ国以上の都市で約400万人が参加しました。また、世界中の2000以上の企業がこの活動に参加する従業員の休みを認め、9月17日より第74回国連総会が開かれていたニューヨーク市も公立学校の生徒が休むことを認めました。

日本では、大阪、京都、名古屋、福岡、札幌などを始めとする26都市で「気候行動マーチ」(日本では気候ストライキを気候行動マーチと呼んでいます)に約5000人が参加しました。東京でも国連大学本部前に約2800人が集まり、「気候は変えず、私たちが変わろう」「地球はみんなのシェアハウス」などと呼びかけながら、若者たちが主導したマーチが行われました。

 

ユース気候サミットでは実際何があったの?

 

f:id:UNIC_Tokyo:20191126151529j:plain

ユース気候サミット議論セッションにて ©UN Photo/Rick Bajornas

ユース気候サミットでは気候変動と闘うことを決意している若手の活動家、イノベーター、起業家たちが集いました。 最初のセッションでは、若者たちが具体的な気候対対策案を世界のリーダー達に向けてプレゼンテーションを行いました。

参加者の多くが、若者たちの積極的な気候行動への参加には「教育」が必要だと訴えました。ウガンダとガーナのチームは「各国政府は、学校の制度に気候教育を取り入れて下さい」と述べ、他のチームからも教育キャンペーンや高等教育機関での気候教育強化を求める意見が続きました。

f:id:UNIC_Tokyo:20191126151628j:plain

ユース気候サミットのオープニングにて©UN Photo/Kim Haughton

アメリカで設立され、現在ヨーロッパやアフリカなど様々な地域に拠点を持つZero Hour という団体を代表して参加した三人の高校生グループは、彼らが展開しているNational Education Campaignを紹介しました。このキャンペーンは、若者が気候変動の原因、影響、対策を学び、自分が得た知識をアンバサダーとして友達や知り合い、自分のコミュニティーに伝え、気候行動の知識を持つ若者を増やしていくというシステムです。現時点で600人のアンバサダーが所属し、一年後には世界中に2000人のアンバサダーを育てる事を目標としています。代表者の一人は、「気候行動への答えは、教育です!」と強く意気込みました。

日本から国連ユース気候サミットに参加した佐藤真弓さんは、「私は気候危機に向けた解決策とは、一直線ではないと気づきました。自然に基づいた解決策、フェミニストのリーダーシップ、スポーツとエンターテインメント、草の根運動、政治的アドボカシーなど、若者たちが気候正義への賛同を集める気候変動対策は、多面的で重なり合う部分を持っていました。」と振り返っています。佐藤さんからの報告やZero Hour を始めとした様々な若者によるプレゼンテーションをぜひご覧ください。

f:id:UNIC_Tokyo:20190922153511j:plain

佐藤真弓さん、国連本部にて © UNIC Tokyo

日本からの参加者、佐藤真弓さんの報告:

blog.unic.or.jp

若者によるプレゼンテーション(英語):

 

個人レベルでできる気候行動

では、わたし達がとれる気候行動とは何がでしょうか?市民による気候行動を促す「ActNow Climate Campaignの一環として、食とファッションに着目した気候行動をご紹介します。

1.フードチャレンジ:食品ロス・廃棄が全世界の排気ガス排出量のおよそ8%も発生させている事実を踏まえ、学校法人服部学園服部栄養専門学校 理事長・校長の服部幸應先生が、冷蔵庫のあまり物を使用した持続可能で気候に配慮した、おいしいレシピを考案してくださいました。

国連広報センターのインターンが服部先生のレシピを再現して、フードチャレンジに挑戦した動画をぜひご覧ください。

・「余った食材でパスタパエリア

・「お掃除トルティージャ


#ActNow #フードチャレンジ:お掃除トルティージャ

他のレシピはこちらから:

www.unic.or.jp

2.ファッションチャレンジ:最近話題の「アップサイクリング」をファッションでどう活かすか、8月に行われたFacebookライブイベントで、たくさんのアイディアや既に実践されている取り組みが紹介されました。そうしたアイディアや取り組みの詳細はこちらから

f:id:UNIC_Tokyo:20190911143420j:plain

登壇者の一人、株式会社ハースト婦人画報社 ELLE Japon 編集長の坂井佳奈子さんが世界の持続的なファッションのトレンドを紹介 ©UNIC

そのほか、広く持続可能な開発目標(SDGs)達成のためにできることを考えたい方は、ぜひ「持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイドも参考にしてください。

ユース気候サミットでは、気候変動への問題意識を訴える若者が世界中から集まっていました。今からでも行動を起こすことは遅くありません。この地球に生きる、私たち一人一人が行動を起こ事に意味があります。これを機に、あなたが取れる気候行動を考えて、ぜひ実際にアクションを取り始めて下さい。