国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

ゴミ拾いはスポーツだ!!

 江ノ島にて「スポGOMI」大会に出場、マイクロプラスチック問題に警鐘~

 

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「国連チーム」として大会に出場。 写真左から藤原彩香(国連広報センターインターン)、根本かおる国連広報センター所長、東京2020組織委員会広報局の小林あかね広報部長、サーシャ・ウォフィンデン(国連広報センターインターン) Photo: UNIC Tokyo

 

 

国連広報センター所長の根本です。6月5日の世界環境デーには、国内・国外各地で環境保全を考える行事や取り組みが行われました。

 

6月5日が国連総会で世界環境デーに定められた背景には、日本の尽力があります。「国連人間環境会議」が1972年6月5日からスウェーデンストックホルムで開催されたのにちなみ、6月5日を「世界環境デー」とする決議案を日本とセネガルが国連総会に共同提案し、同年12月15日に採択されたのです。さらに、1993年には環境基本法が6月5日を日本の「環境の日」に定めています。日本と縁の深い国際デーなのです。

 

私は東京2020組織委員会が主催した「世界環境デー 第3回東京2020 スポGOMI大会」に、国連広報センターの職員とインターン、そして東京2020組織委員会広報局の小林あかね広報部長と一緒に「国連チーム」として参加しました。

 

「スポGOMI」は、ルールに則ってチームで制限時間内にごみを拾い、その量とポイントを競うというごみ拾いにスポーツの要素を加味したものです。東京2020大会の競技会場になる神奈川県藤沢市の江の島(セーリング)と千葉県長生郡一宮町の釣ヶ崎海岸(サーフィン)を会場にアスリートと一緒に、海洋汚染の原因となっているマイクロプラスチックを含むプラスチックごみを中心に拾って競争します。海の健康や環境面での持続可能性について考えてもらう持続可能な開発目標(SDGs)につながるアクションで、国連チームは江の島の会場に参加しました。

 

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江ノ島を背景に。ゴミ拾いをする国連チーム Photo: UNIC Tokyo

 

現在、使い捨てのプラスチックごみの問題に世界の注目が集まり、日本でも様々な取り組みが始まっています。特に、プラスチックによる海洋汚染は特に深刻で、毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に流れ込み、このままでは2050年までに海の中は重量ベースで魚よりもプラスチックの方が多くなってしまうと予測され、海の生態系を脅かしています。昨年夏、江の島近くの鎌倉市由比ガ浜の海岸にシロナガスクジラの赤ちゃんが打ち上げられ、胃の中からプラスチックごみが発見されたことは皆さんもご記憶のことでしょう。

 

さらに、海に流れ込んだプラスチックごみは紫外線や波の力などで砕かれて5ミリ以下の「マイクロプラスチック」になります。有害物質を吸着しやすいとされ、これらが魚介類に取り込まれ、さらに食物連鎖で人間を含む動物に悪影響を及ぼす危険性が指摘されているのです。

 

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アスリートらと共に「ゴミ拾いはスポーツだ!」と試合開始の掛け声。参加アスリートは3×3バスケットボール「湘南サンズ」代表の石田剛規さん(中央)、同所属の小沼めぐみ選手(中央右)、競泳元オリンピック代表で現在は東京2020組織員会職員の伊藤華英さん(右) Photo: UNIC Tokyo

 

スポGOMI参加者全員で「ごみ拾いはスポーツだ!」の掛け声を合図に競技がスタートして、砂浜に目を凝らしてごみを探し始めて愕然としました。人工的な色の小さなプラスチックの破片だらけなのです。ここにも、あそこにも、と気にし出すときりがありません。

  

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集められたマイクロプラスチック Photo: UNIC Tokyo

 

私もSDGsについて講演し、一人ひとりの日頃の行動や暮らし方を見つめなおすことを訴える中で使い捨てプラスチックごみの課題について「リデュース、リユース、リサイクル(Reduce, Reuse, and Recycle)の3R に、『捨てるならもらわない!(リフューズ Refuse)』をプラスして、4Rを」とよくお話してきましたが、マイクロプラスチックがここまで深刻になっていることを今回のスポGOMI参加を通じて初めて実感しました。

  

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カラフルなゴミの横には打ち上げられたヒトデ Photo: UNIC Tokyo

 

東京2020組織委員会から国連チームに加わってくださった小林あかね広報部長は、世界環境デーのスポGOMI大会には3回目の参加となり、「場所によってごみの種類が違いますね。マイクロプラスチックは気になりだすととまりません。海に流れ込む前に止めないといけないと実感しました」と語ってくださいました。

 

日本は一人当たりのプラスチック容器ごみ発生量がアメリカについで世界第2位の国です。やはり、一人ひとりがライフスタイルや行動を見直すことが必要でしょう。

 

国連チームはポイントとしては上位に食い込むには程遠い結果でしたが、私たちの生態系について学ぶことの多い経験になりました。

 

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Photo: UNIC Tokyo

 

「海岸の灰色の砂にはきれいな色の小さなものが混ざっていました。よく見ると、そのきれいな色はガラスの破片、プラスチック、たばこの吸い殻など、全て人間が出したゴミでした。砂浜に広がるゴミを見て、人間は地球の生き物に無責任で疎かな事をしていることに気付かされました。」と語るインターンの藤原さんとサーシャさんは、イベント解散後、道に散らばってるゴミに気づき始めたそうです。

 

マイボトルを持って出かけるなど、身近にできることからみんなで取り組んでいくことの大切さを実感した1日でした。

 

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参加者全員で集合写真。TOKYO2020の旗の前には全チームで集めた約117kgのゴミの袋が Photo: UNIC Tokyo