11月9日、国連アカデミック・インパクト(UN Academic Impact Japan)の会合が国連広報センターの主催により開催されました。国連広報局アウトリーチ部のマーヘル・ナセル部長と国連民間連携オフィスのロバート・スキナー エグゼクティブ・ディレクターが来日し、高等教育機関と国連との連携について意見交換を行いました。60を超える日本のUNAI参加校のうち24校が会合に参加し、国連本部の代表者らとの意見交換を通して互いの関係がさらに近づいた1日になりました。
国連アカデミック・インパクト(UN Academic Impact)とは、国連広報局(DPI)のアウトリーチ部が担当するプログラムです。UNAIの対象は、学位を授与する全ての高等教育機関、またはそれに相当する実質的な研究を行っている機関です。いわば、国連と世界の大学(および高等教育機関)とを結ぶ新しいパートナーシップです。2010年秋に発足してから現在まで、130以上の国にある1300の機関がUNAIに参加しており、そのネットワークは広がっています。
ナセル部長は、国連システムで30年を超える勤務経験の持ち主です。2011年2月、広報局アウトリーチ部の部長に就任し、2014年・2017年に続いて、日本を訪問しています。ナセル部長自身のTwitterでは、東京へのフライトで国連広報センター(UNIC Tokyo)やUnited Nations Communications Group(UNCG)のメンバーと会えることを楽しみにし、日本のSDGsへの貢献を高く評価していました。
On the way to #Tokyo & looking forward to seeing @UNIC_Tokyo colleagues & #UNCG members from across the @UN System. Continue to be amazed at how much #Japan has embraced @GlobalGoalsUN & high level of interest in #SDGs among companies, universities, NGOs & creatives.
— Maher Nasser (@MaherNasserUN) November 7, 2018
会合では、マレーシアのマラヤ大学がサステナビリティに取り組む「Zero Waste Campaign 」を、アジアのUNAI参加大学の好事例の1つとして紹介し、日本のUNAIメンバーに対してさらなる活動の促進を働きかけました。さらに、より平和で持続可能、かつ豊かな世界を目指す2030アジェンダを達成するために、国連は若者の力を必要としていると述べ、ユース2030の参加を呼びかけました。
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ナセル部長に続き、スキナー エグゼクティブ・ディレクターから国連と教育機関の事例の紹介がありました。2018年7月に就任したスキナー エグゼクティブ・ディレクターは、SDG 17(パートナーシップで目標を達成しよう)に力を入れて取り組んでいます。持続可能な開発目標(SDGs)を推進するため、国連機関は民間部門、財団および他の非国家主体とパートナーシップ構築に尽力しています。それらの玄関口として役割を果たす国連パートナーシップ事務所が、政府、市民社会組織やNGOなど様々なアクターと協力している事例が紹介されました。スキナー エグゼクティブ・ディレクターは特に、「パートナーと協力していくため、可能な限り最良の方法でメッセージを発信していくことが重要である」と強調していました。
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質疑応答の時間では、国連と大学との連携方法だけでなく、日本が抱えるSDGsの課題、そして、パートナーシップを強化するための戦略について、UNAIのメンバーとの活発な意見交換が行われました。
また、ナセル部長が「2030アジェンダを達成するためには、若者の力が必要です。若者がリーダーシップを発揮し、自分の大学へSDGsを広げていく先駆者になるように期待しています」と、国連広報センターのインターンや参加した大学生を激励しました。
世代・所属を超えた意見交換が行われた国連アカデミック・インパクトの会合を通じて、パートナーシップなくして持続可能な開発目標(SDGs)は達成できないと改めて実感していたインターン5名。パートナーシップを構築するための取り組みを行うことで、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現していくことを目指しています。