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UNICインターン、ブラジル人学生とSDGsについて語らう

 

SDGs学生フォトコンテスト2017大賞受賞者、ブラジルから来日~

  

ルイス・グスターヴォ・カヴァリェイロ・シウヴァ(Luís Gustavo Cavalheiro Silva)さん(以下ルイスさん)は、持続可能な開発目標(SDGs)学生フォトコンテストで大賞(外務大臣賞)を受賞しました。10月24日国連デーに行われた授賞式に出席するため、ブラジルから初来日しました。授賞式の翌日、ルイスさんは国連センターのインターンと共にSDGsについて話し合い、インタビューにも応えてくださいました。

 

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大賞(外務大臣賞)を受賞したルイスさんの作品 “WOMAN OF COOCASSIS!” (リサイクル品を回収するCOOCASSISの女性) COOCASSISとは、ゴミをリサイクルする組合のこと

 

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ルイスさん 表彰式にて曄道 佳明 上智大学学長(左)、中根 一幸 外務副大臣(右) と

 

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ルイスさんへインタビューする国連広報センターのインターンたち


インターン
SDGsフォトコンテスト外務大臣賞受賞おめでとうございます。ルイスさんにとって今回は東京での表彰式を兼ねての始めての海外旅行ですが、日本の印象はいかがですか?

ルイス:日本は清潔ですね。丁寧なサービスを提供してくれる店員さんの接客精神に驚きました。特にインフラがしっかり整えられていて素晴らしいです。バスや電車は時間どおりに来る。日本では5分で済むことが、ブラジルでは1時間かかるでしょう。また、このフォトコンテストを通じて日本が持続可能な開発目標に積極的に取り組んでいることを感じました。

 

インターンSDGsフォトコンテスト2017はどうやって知りましたか?そして、大賞に選ばれたということを初めて知ったときの感想は?

ルイス:サンパウロ州立大学で一緒にプロジェクトをやっている友達が偶然フォトコンテストについて知り、私に教えてくれました。 最初は応募しようか迷いましたが、その友達に勇気づけられ、自分が一番好きな写真をすぐ送りました。朝5時に東京から電話がきたときは、本当にびっくりしました。すごく嬉しくて、その日は仕事が手につきませんでした。

 

インターンルイスさんが写真を撮り始めたきっかけは?

ルイス:5年前にネットで興味のある写真家を見つけ、写真に興味を持ち始めました。私は、セバスチャン・サルガドエヴァンドロ・テイシェラなどの有名な写真家に影響され、ジャーナリズム系や新聞社に提供するような写真を撮りたいと思うようになりました。写真とPhotoshopYouTubeで勉強しました。初めて購入したカメラは高かったので、自分が働いて貯めたお金と合わせ、姉に費用を半分だしてもらい、やっと買うことができました。

 

インターン1002点の作品の中で一位に輝いた「“WOMAN OF COOCASSIS!” (リサイクル品を回収するCOOCASSISの女性)」はどういった経緯で撮りましたか?

ルイス:サンパウロ州立大学の都市建築の授業の一環として、大学と協力関係にある社会環境団体「COOCASSIS」とのプロジェクトで撮った写真です。このプロジェクトは大学や組合の知識を共有し、コミュニティーの距離を縮め、経済成長と環境保護を促進することを目的としています。自分の写真を通して、アシス市とブラジルの人々にCOOCASSISの活動を広め、リサイクルの重要性を意識づけたいです。

 

インターンルイスさんの写真に写っている女性の方はどんな状況に置かれていますか?そしてCOOCASSISはアシス市の女性たちにどのような役割を果たしていますか?

ルイス:COOCASSISの従業員の95%は女性です。そして写真に写っているPaula Henataさんもその一人です。Paulaさんには幼い息子がいて、彼女はひとりで彼を育てています。Paulaさんのように、若くして妊娠し、勉強を中断せざるを得ない女性が数多くいます。また、彼女たちは、学歴がないため、安定した雇用を得るのが難しい状況におかれています。しかしCOOCASSISで働くことで、女性たちは公正な賃金を得ることができ、Paulaさんはなんとか息子を養うことができています。またこの組合は、彼女にとって自分の声を発信できる場でもあり、彼女のような状況に置かれている女性を勇気づける重要な役割を果たしています。ある従業員の方は自分で収入源を得られるなら男なんか必要ないと言っていたそうです。

 

 インターンルイスさんの夢、そしてこれからの目標を教えてください。

ルイス:私にはいろいろな目標と夢があります。ブラジルではまだリサイクルのノウハウの認知度が低いため、来日前にリサイクルのやり方と重要性を広め意識づける活動を開催する準備をしていました。準備は万端なのでブラジルに戻り次第、再び始める予定です。長期的な目標としてはこのプロジェクトをより広範囲に、各地域に合った手段で広めていきたいです。今回大賞(外務大臣賞)を受賞した「“WOMAN OF COOCASSIS!” (リサイクル品を回収するCOOCASSISの女性)」はブラジルにとって持続可能なリサイクルの道への第一歩になると思います。

また個人的には、写真と歴史への興味を両立できる仕事がしたいので、プロの写真家と歴史の教授になるのが夢です。ブラジル全土を回って、母国の素晴らしいことや隠蔽された問題の両方を発信し、これを素材にした自作のドキュメンタリーを作る夢もあります。

 

インターン最後に来年のフォトコンテストの応募者達に向けてのメッセージをお願いします。

ルイス:私はデヴィッド・ボウイの大ファンです。彼の代表曲のひとつに「ヒーローズ」という名曲があります。そこで彼は「僕らは英雄になれる、一日だけなら(We can be heroes for just, just for one day)」と歌っていますが、もし自分がボウイさんだったら、「僕らは毎日英雄になれる(We can be heroes everyday)」と歌いたいですね。なぜなら、リサイクルのような一人一人の日々の小さな行いが、いつの日か身を結び、世界をよりよい方向へ変えられると信じているからです。

 好きな写真家のなかにインスピレーションをみつけ、自分を信じ夢を実現して下さい。

 

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外務大臣賞品、ニコンD7500カメラで表参道の街を撮影中のルイスさん。傘をリュックに引っ掛け、シャッターチャンスを逃しません



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ニコンD7500のクオリティの高さに思わず満足げな笑みを浮かべる。実は初めてのの海外旅行。「東京はブラジルと全く違う場所」とルイスさん

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明治神宮に到着。大学では、歴史専攻のルイスさん。歴史的建造物の撮影に熱が入ります




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インターンに撮影のコツを伝授するルイスさん。思い出に遺したい写真はポラロイドカメラで撮るのが最適

 

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参拝方法をインターンに教わるルイスさん。日本文化も体験しました

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絵馬を興味深そうに眺めるルイスさん。中にはポルトガル語で書かれている絵馬もありました


最後の一言

写真一枚の裏にこんなたくさんのストーリーがあったなんて思いもしませんでした。写真は素晴らしいですね。ルイスさん、これからの活躍を心から応援しています。また、授賞式・インタビューを通し、通訳に協力してくださった磯部さん(上智大学)ありがとうございました。

 

ルイスさんのインスタグラムはこちら>>> luisgcavalheiro

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