所長の根本です。国連広報センターは多くの国連の高官の訪日の受け入れをサポートしています。この秋も高官の訪日ラッシュが続いていますが、日本がそれだけ大切な国連加盟国であることのあらわれでしょう。そんな中、私たちにとってひときわ嬉しかったのは、国連広報センターが所属する国連広報局から、アウトリーチ部門を統括するマーヘル・ナセル部長が3年ぶりに日本を訪問してくれたことです。
After much procrastination about running this year’s #tcsnymarathon - I did it & got my 3rd medal & raised 1 scholarship @UNRWA @unrwausa pic.twitter.com/i0Id0M70LB
— Maher Nasser (@MaherNasserUN) 2017年11月5日
自身がパレスチナ難民のナセル部長は、11月5日のニューヨーク・シティー・マラソンで「パレスチナの女性が大学に進学して学ぶための奨学金のために走るので、どうぞ応援してください!」と奨学金のための寄付を呼び掛けつつマラソンを完走し、大変な筋肉痛をかかえながら翌6日に飛行機に飛び乗り、成田に到着後、国連アカデミック・インパクトに参加する20の大学の代表との懇談会に直行して来てくれました。今年1月に就任したグテーレス新事務総長の優先課題についてフレッシュな情報満載のナセル部長のプレゼンテーションは、出席してくださった大学関係者や学生たちを大いに刺激したことでしょう。
8日には国連広報センターと連携してSDGs広報に積極的に取り組んでいる吉本興業、そして世界6大広告代理店のパートナーシップで展開する「common ground」SDGs広告キャンペーンに参加する電通を表敬。
さらに、築地本願寺で「仏教 x SDGs」をテーマに開催された次世代リーダーズサミットにて、SDGsと若者をテーマに基調講演しました。衆生救済をかかげる浄土真宗として、SDGsを通して一人でも多くの人々の苦悩を解決する道を解決するためにSDGsを深く学びたいという趣旨で開催されたシンポジウムで、今日の若者こそがSDGs推進の中心的役割を担うという思いから、会場には多くの学生たちも参加していました。
改装されたばかりの築地本願寺の荘厳な雰囲気な中での基調講演で、貴重な機会となりました。演台もご本尊の前の畳敷きの場に設けられ、ナセル部長は靴を脱いで演壇に向かったわけですが、ふと彼の足元に目をやると、なんとSDGsのロゴとアイコンとを彷彿とさせるようなカラフルな靴下が!あとで尋ねると、「男性はオシャレできるアイテムが限られているので、靴下は楽しく装いたいと思って、『happy socks』のものしか今は履いていません」。何とも有言実行のナセル部長らしい!
そして9日には京都で浄土真宗の大学である龍谷大学でSDGsにて講演し、学生たちから質問が途絶えませんでした。
最終日の10日には国連諸機関の代表や国連大学で学ぶ学生たちを対象に意見交換するとともに、明治大学にて土屋学長を表敬。スタミナの途絶えない、まるで情熱の塊のようなナセル部長から大いに刺激を受けた4日間でした。
SDGs 学生フォトコンテスト2017でTOGETHER賞を受賞した大橋彩香さん(明治大学)の作品 “EDUCATION FOR REFUGEE CHILDREN”(教育という希望)を手にする土屋明治大学学長(右)とナセル部長(左)