2016年の11月中旬から2月中旬までの3カ月間、インターンシップに参加した安田佑介です。国連広報センターのインターンシップに応募したきっかけは、報道機関への就職が決まったことでした。ニュース制作支援、特に国際報道に関わることになるため、入社前に国連の役割と活動についての理解を深めて仕事に活かしたいと考えたからです。また、在学中の大学で人間の安全保障や難民・移民、国際開発などの授業を履修する中で国連への興味・関心が強くなってきました。キャリアの選択肢として「国連で働く」ことについても考えてみたい、そんな思いを抱きながらインターン生活が始まりました。
新聞クリッピングは国連広報センターでのインターンシップの基本です。毎朝夕、主要紙と英字紙の計8紙に目を通す作業は、刻々と変わる世界情勢の把握につながっただけではなく、情報処理・分析の鍛錬になりました。普段は何気なく読み過ごしていた新聞でしたが、国連という立場から読んでいくと、国連が世界の様々な分野に携わっていることが分かり、より身近な存在となりました。特にアメリカ大統領が変わってからは、関連記事が増え、迅速かつ的確に情報を把握するよう努めました。また、読み比べも意識的に行い、新聞各社の取り上げるニュースの傾向や考え方がわかり、様々な角度から物事を考えていく練習にもなりました。
山本忠通 アフガニスタン担当国連事務総長特別代表、根本かおるUNIC所長、インターンとともに
さらに、記者会見やインタービューに同行する機会にも恵まれ、国連で活躍されてきた職員のお話を目の前で聞くという貴重な経験ができました。また、取材を通じて、写真撮影や記事作成に必要な準備や注意点など実戦から得られる収穫が数多くありました。その他には、翻訳作業にも携わり、どう訳せばよりわかりやすく明確に伝わるかと言葉選びに悩みに悩み、情報発信をする広報の難しさを実感するなど、毎日が学びの3カ月でした。
朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の人権状況に関する国連特別報告者の記者会見(2016年11月、国連大学)
いま振り返ってみると、一緒に働いた個性的で優秀なインターン、そして様々な業務を任せてくださった職員の皆さんには感謝の気持ちで一杯です。的確に仕事をこなしていくインターンと働く中で、社会人になる上での課題をたくさん見つけました。彼らとの昼食の時間も非常に有意義なものでした。留学経験やキャリア、進学、趣味といったいろいろな話で盛り上がり、自分の知らない世界を知る機会にもなりました。広報業務以外にもデータ処理や資料作成など、毎日幅広い仕事を任せてくださった職員の皆さんにも感謝しております。国連への理解が深まっただけでなく、働くことへの姿勢も学んだこの濃密な3カ月間。国連広報センターで得た知識と経験を今後に活かしていけるよう、これからも精進していきたいと思います。ありがとうございました。