写真:あいち国際女性映画祭
「女性大使ミーティング」で感じた、女性のつながる力
~20回を迎えた「あいち国際女性映画祭」のリポート~
所長の根本です。
日本で唯一の国際女性映画祭、 あいち国際女性映画祭は北京女性会議が開かれた1995年の翌年からスタートし、今年で第20回になります。国連広報センターは昨年に続き、今年も同映画祭と連携し、国連創設70周年も記念した特別企画「女性大使ミーティング」を開催しました。
写真:あいち国際女性映画祭
村に灯りを届けようと、夫らの反対に合いながらもインドの「裸足の学校」でソーラー・ライティングについて学ぶヨルダンの女性を追ったドキュメンタリー映画『ソーラー・ママ』を上映し、それに引き続き、在京の女性大使お二人と、ミャンマーから来日した作家のジューさんからお話しを伺いました。在京の大使のおよそ7人に1人が女性です。
ソーラー・ママ(Solar Mamas)
マケドニア旧ユーゴスラビア共和国のツベトコビッチ大使は在京大使の中で最も若い大使で、研究者、映画監督から大使になったというユニークな経歴の持ち主です。「世界全体で、女性の映画監督は全体の7パーセントにしかならない」というショッキングな数字を紹介しました。
写真:あいち国際女性映画祭
本国では公職選挙法で各政党に候補の3人に1人を女性にすることが義務付けられ、政治面での女性の進出が進んだことや、映画やドラマなどが異なる民族の間の理解につながっていることなどについて語りました。
写真:あいち国際女性映画祭
映画製作の盛んなインドのワドワ大使は、インドの女性監督は、娯楽超大作ではなく、むしろ同映画祭オープニング作品の『マルガリータで乾杯を!』のように、障害者や性的マイノリティーなどのマイノリティーや社会問題に光を当てる作品で活躍していると強調しました。
手頃に楽しめる映画は共感を通じて上手にメッセージを伝えられる一方で、現実は映画が描く世界ほど単純ではないという限界も指摘しました。
ジューさんは作家であると同時に、医師でもあります。自分が教育を受けられなかった分、娘には高い教育をと応援してくれた母親のおかげで、医師にも、作家にもなることができた、と語りました。
写真:あいち国際女性映画祭
こうした背景もあって、ジューさんは自立を目指す女性たちを主人公として描きます。映画化された作品もたくさんあります。
「文学のクリエイティブな力で、より良い社会を作ることに貢献したい」という力強いメッセージを会場に届けました。
写真:あいち国際女性映画祭
国は違っても、女性というだけであまり多くを説明しなくてもつながれる。同じような問題があって、同じようなチャレンジに立ち向っている。
女性同士のつながる力と共通点を強く感じたセッションでした。