国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

「わたしが見た、持続可能な開発目標(SDGs)」学生フォトコンテスト 受賞作品一覧

大賞(外務大臣賞)

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“EL OJO DEL CONSUMO” (消費者の目) ニコラス・モンテベルデ=ブスタマンテ / ペルー

ペルーのカヤオにある海洋保護区を訪れたとき、廃棄されたタイヤが沢山あるのに気づいて、とても気になりました。海洋汚染はいま人類が直面している大きな問題の一つです。私たちの中毒的なまでの消費と廃棄の繰り返しが、私たちの街を、土壌を、海を、そして自分までをも汚染しています。私たちの海を、タイヤやゴミのないより良い場所にできるかどうかは、私たち次第なのです。

 

優秀賞(3点)

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“SMILE OUT OF DISASTER” (笑顔で災害を乗り越える) ネルメッシュ・シング・グルディブ・シング / マレーシア

母親と姉と東インドへ旅行した時に撮った写真です。市場で買い物をしていたら、土を袋に積み、回収トラックへ載せている女性に気がつきました。彼女は一瞬拾っていた土のにおいを嗅ぎながら微笑みました。洪水の被害者になった後、再び立ち上がる機会を与えてくれた「土」に対する感謝の心を持っているのだ、と教えてくれました。自然災害と向き合っていくためには、自分と自然との関係、また、心の豊かさを大事にするべきだと感じました。
 

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“FLOOD AID” (洪水被害者の支援) ヒルミ・ハリズ・ビン・マハボト / マレーシア

マレーシアの東部にあるクランタン州は、ほぼ毎年のように雨季には洪水に襲われます。一緒に活動していた人道支援のボランティアたちが支援物資を仕分けているところです。2階から彼らに指示を出していた時にこの風景を撮影しました。この写真を共有する最大の目的は、若者にボランティア活動を推進することです。より良い社会の構築のためには、人々の協力が欠かせないからです。

 

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REUNION” (再会) 山川 侑哉 / 日本

現代の奴隷制度ともよばれる人身取引、世界には2,000万人以上の被害者がいると言われています。持続可能な開発の先に、被害に遭われた方々が無事大切な人と再会でき、そして新たな被害者が生まれることがない世界であることを心から願います。この写真を通して、一人でも多くの方がこの問題について考えるきっかけとなれば幸いです。

 

特別賞(Dior ウーマン・エンパワメント賞)

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“FEMALE EDUCATION” (女子教育) 小森 康智 / 日本

今なお女性を差別する風潮が残るインドで、幼い少女が強くたくましく勉学に励む姿を、嘘偽りなく写しました。

 

入賞(10点)

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“WHITE TRANQUIL” (白い静寂) ユ・ハイトン / 中国

白い風力タービンと雪に覆われた地面は、一分の隙もない完璧な共同体のように見え、この美しい景色を撮らずにはいられませんでした。風力タービンは自然景観美を壊すことのない、人類の手による数少ない建物だと思います。環境へのダメージを最小限に抑えて、クリーン・エネルギーを得る人間の気品を反映しているように感じます。エネルギーを専門にする学生として、また生粋の写真好きとして、人々のエネルギー効率と環境保護への関心を高めたいと思い応募しました。

 

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“THE STRENGTH OF THE COMMUNITY” (地域社会の強さ) ジェシカ・アルメイダ / ブラジル

この写真を通して伝えたかったことは、地域社会を支援することがいかに大事か、ということです。活力のある地域では、人々がお互いに協力し合って、持続可能な社会をつくることができます。この2人の女性のように、他人の思いを感じ取り、痛みや喜びを共有できるようになれば、私たちは変化を起こすことができると信じています。SDGsは遠くで起こっている問題だと思わず、身近な問題から皆で考えていただけたらな、と思います。

 

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“CRYSTAL” (クリスタル) 外山 慎一郎 / 日本

水は日本にいれば手軽に手に入るものですが、多くの国で水道水は飲むことができず、摂取するための水は買う場合がほとんどです。私たちが生きるために作物や家畜を育て、自身の渇きを潤すための真水は非常に限られたものであります。水が持つその希少さと、その澄み切った一瞬の美しさを感じ取っていただきたいです。

 

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“ON HIS WAY HOME AFTER FETCHING WATER” (水汲みの帰り道) 西谷 廉 / 日本 

2015年11月にザンビア滞在中に撮影した写真です。孤児院が併設された小中学校に住み込みで活動していました。写真に写っている孤児である少年とも共同生活を行いました。上下水道の発達していないザンビアでは、生きていくために欠かすことのできない水を井戸から汲み運ぶという行為は、毎日の日課であり、日常的な風景です。
ここで生きるということを象徴した一瞬だと感じ、シャッターを切りました。

 

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“DONATION FOOD” (寄付された給食) パン・ユニエン / 中国

ミャンマーの首都ネーピードー周辺にあるシュウェジン村には、まだ電気もありません。しかし、村人は教育を重要視し、数年前から自分たちで小学校をつくりました。2011年以来、ミャンマーの政治は大きく変化し、教育に使う予算も全予算の0.5%から3%に増えました。この学校の教員数も6人に増えましたが、それでも1年の予算は40万チャット(約4万円)しかありません。1年間365日の食事のなかで、給食の寄付はとても小さい貢献ですが、希望と未来の象徴を意味しています。

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“LITTLE SEED OF LIFE” (小さな命) 今井 香琳 / 日本

私の作品は日本で見つけた、ちょっとした風景の切り取りに過ぎません。しかし、ふと目に入ってきたこの雑草に、小さい存在ながら何かとても力強いものを感じました。雑草でもこんなに輝いて見えるんだということを表現したく、またこの小さな発見の大切さを伝えたく、写真に収めました。SDGsに関しても、人の手次第でその行き先は自在に変えることができます。小さな発見や働きかけが、未来の地球を少しずついいものにしていくことができるのではないでしょうか。

 

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“CREE'S HOPE” (クリー族の祈り) 佐藤 誉翼 / 日本

授業で学んだ事がきっかけで、カナダの先住民の方々に会いに行きました。そこで聞いた彼らの過酷な経験は衝撃的でした。例えば、白人の教育機関への入学を強要されたり、白人には免疫があるが先住民にはないために、彼らだけに病気が流行ってしまったり、などです。そんな中、彼らの立てたティーピー(テント)のなかでお祈りをしました。それも踏まえて、タイトルには「クリー族の願い」ではなく「クリー族の祈り」を起用しました。

 

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“DEAR HUMAN” (ディア・ヒューマン) 中牟田 知樹 / 日本

自然や生命本来の輝きに魅せられ、地球の美しさを切り取ったつもりが、ゴミの放置という人間の愚かな行為までもが映り込んでしまいました。SDGs、持続可能な開発目標は人類という枠組みで達成すべき、非常に重要な課題です。しかし、私たち人間が地球の独裁者になってしまわないように、自身で気をつける必要があります。この写真が、SDGsは人類だけでなく、地球のための目標でもあるということを再確認できるきっかけとなれば幸いです。 

 

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“INDIGENOUS CHILDREN IN BANGLADESH” (バングラデッシュに住む先住民の子どもたち) 上澤 伸子 / 日本

バングラデシュの北部国境地帯で災害調査をしていた時に撮った写真です。少数民族ガロの村人へのインタビュー調査で、災害常襲地域の苦労話を聞き、どんよりと重い気分になりました。その直後、あぜ道を歩く下校途中の子どもたちと出会って励まされました。ガロの人たちは貧しいけれども、子どもたちにできる限りの教育を施したいと考えています。

 

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“INDIGENOUS CHILDREN IN BANGLADESH” (バングラデッシュ ダッカの街角の活況) 山崎 崇央 / 日本

研究の一環でバングラデシュ ダッカを訪れました。絶対的貧困者数の削減を達成するなど、開発援助が成果を挙げつつあるバングラデシュの街角は活気にあふれています。経済成長に伴う歪みもあるものの、着実に明るい方向に向かっている、と肌で感じました。 また、郊外でも道路整備などインフラ整備が国連や各国援助機関の支援のもとで進んでおり、協調的な援助と、それによる成果が感じられました。