国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

Junior Professional Officer(JPO)に チャレンジしてみよう!

国連広報センター所長の根本です。私は大学卒業後、日本のマスコミで勤務しましたが、留学と国連機関でのインターンシップをきっかけに、Junior Professional Officer(JPO)として国連難民高等弁務官事務所UNHCR)に派遣されました。JPOを振り出しに、国連機関に正規職員として残ることができた訳です。JPO制度なくしては、今の自分はなかっただろうとも思っています。1回のテストで自分を強くアピールするのではなく、2年間という派遣期間を通じて自分の日頃の仕事ぶりを評価つなげることができるからです。華やかにほかを圧倒することを得意としない日本人として、評価に結びつけやすい制度と言えるでしょう。

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*1995年:ネパールのUNHCR事務所にインターンとして受け入れてもらい、ブータンを逃れた難民たちが避難する難民キャンプで活動した。

JPOとして派遣されたUNHCRのトルコ・アンカラ事務所では、難民の権利保護の基礎中の基礎といえる難民認定審査を2年間みっちり仕込まれました。トルコの隣国のイラク、イランでの迫害を逃れてトルコで庇護申請する人々から、迫害と抑圧のストーリーを聞き取り、難民条約に照らして難民として保護するに値するかどうか審査をする仕事です。朝から晩まで、事務所の地下にある面会室で拷問や迫害の話を聞いて判断する、という、半人前のスタッフとしては実に精神的に過酷な内容の仕事でした。しかし、JPO受け入れの実績が豊富で、「学び」と「助け合い」のスピリットに富み、上司による指導が徹底した事務所に受け入れてもらえたおかげで、国連機関の活動や難民や人権についての実務を通じて大いに理解と経験を深めることができました。

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*JPOを経て、UNHCRには15年間在籍した。ブータン難民の少女に下着セットを配布。人間の尊厳を守ると同時に、学校からのドロップアウトを防ぐ。

この制度の恩恵に預かった立場としては、1年に60人以上のJPOを派遣していたピークの頃から派遣人数が大きく減ってしまい、最も少なかった頃で30人、ここ数年では40人程度にとどまっている現状をとても残念に思っていました。実は国連関係機関に勤務する日本人の半数近くが、JPO経験者。JPO終了時に国連関係機関に残れる確約はないものの、地道な仕事ぶりが評価され残っている率はおよそ7割にのぼり、JPOが日本人にとって国連への一番の近道となっているからです。人を通じた国際貢献を語るとき、国連関係機関で活動する人材をより多く日本から輩出することは、大切な柱になるでしょう。

そんな私にとても嬉しいニュースが飛び込みました。先週可決・成立した2015年度予算をふまえ、今年度のJPO派遣人数が再び60人規模になるのです。現在、JPO派遣候補者の選考試験を受付中です。我こそは、と思う方は、まさに今がチャンスですよ!