国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

「団結」して支える ~国連防災世界会議に国連事務総長が参加、その舞台裏でのインターンの働き (その2)~

訪日期間中、防災会議への出席から要人との会合、国連大学でのシンポジウムなど、一瞬の隙もない事務総長のスケジュール。その多忙なスケジュールを支えているのは、仙台に赴いて事務総長の訪日を支えたインターンだけではありません。

今回は、事務総長の訪日をどのように国連広報センター東京オフィスのインターンが支えていたのか、インターン小林がお伝えします。

 

早朝5時半から、事務総長へ情報を伝えるための新聞記事のクリッピングで始まる東京オフィスの業務。その他、東京オフィスでは、各報道機関のウェブのモニタリング国連広報センターが主催した国連事務総長国連親善大使との懇談会の準備など、防災会議の現場にいるスタッフが行うことのできない業務を補助しました。

 

東京オフィスを担当していたインターンのひとり、秋元七海さん。カナダでの大学院留学を経験した秋元さんは、その英語力を活かし、会議前から事務総長の訪日関連資料の翻訳などの業務にあたってきました。

 

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新聞クリッピングを行う秋元さん

 

事務総長の訪日を終え、秋元さんは、「事務総長の訪日のためにどれだけの人が関わるのかを知り、衝撃を受けました」と話します。

「朝食での事務総長へのブリーフィングのため、朝早くから新聞記事をクリッピングして事務総長のオフィスへ送ったり、スピーチライターの方が事務総長のスピーチを最後の最後まで練っていたりと、事務総長ひとりのために見えないところでこれだけ多くの人が動くのかと驚きました」

 

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潘基文国連事務総長夫人と建築家の坂茂(ばん・しげる)さんとの懇談会の様子

(写真の左側に立っているのが、左から小林さんと秋元さん)

 

特に、秋元さんの印象に残っているのは、国連広報センターが主催した事務総長と国連親善大使の懇談会だそうです。この懇談会のために、インターンも最後まで事務総長や親善大使の方々のセキュリティ確保のため、動線の確認作業を行いました。

これを受けて、秋元さんは「日本で行われる防災会議や事務総長の訪日を成功させたいという気持ちから、職員の方々やインターン、全員が団結しているのを実感しました。そして、そこまで全員と一緒に出来たことが、とてもうれしかったです」と話します。

 

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インターンも参加して準備した事務総長と国連親善大使との懇談会の様子

 

現場の状況がつかみにくい中で、「現場のスタッフには何が必要か」を考える想像力が必要とされる東京オフィス。刻々と変化する状況の中で、必要とされることを予測し、動く。国連事務総長の訪日の裏には「見える」部分だけでなく、「見えない」部分も含めた、人々の「団結」がありました。

 

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離日前に国連事務総長、夫人と国連広報センター職員、インターンで記念写真

「現場」を見て、感じる、動く ~国連防災世界会議に国連事務総長が参加、その舞台裏でのインターンの働き (その1)~

 日本で開催された国際会議の中で、史上最大規模となった第3回国連防災世界会議。

この会議のために、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が訪日しました。

国連広報センターでは、本会議を現場でサポートする仙台オフィスと、その現場を支える東京オフィスの二手に分かれ、インターンが職員と共に準備を重ねてきました。今回は、仙台オフィスに配属されたインターンがどのように活動したのか―。

国際会議の裏舞台を、東京オフィスのインターン秋元が聞き手となってお伝えします。

 

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仙台の国連防災会議会場に赴いたインターンの三人(高坂さん、田中さん、エマさん)

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ホテルで作業するインターン一同

 

アメリカ・ジョージタウン大学で国際政治を専攻したエマ・コースさんは、本会議の会場である仙台まで実際に赴いたインターンの一人です。

事務総長の訪日に際して、国連広報センターは事前に様々な情報を収集しました。

それらの情報はもちろん多くが日本語です。エマさんは、それらを国連公用語である英語に翻訳しました。

 

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メディアインタビューの会場セットをするインターン。(左)

このように、実際にインタビューが行われました。(右)

 

しかし、事前にどんなに準備しても、実際はなかなかその通りに動かないもの。

「今回の経験を通じて、柔軟にその場の状況に応じることの大切さを学ぶことができた」とエマさんは語ります。

例えば、事務総長が約1200人の若者に向けて特別講演を行った「東北大学復興シンポジウム」。エマさんは、ここに出席した国連本部からの代表団を席に案内することになっていました。

しかし、人があふれかえる会場で、事前に決まった席次通り座ってもらうのは至難の技。席次に過度にこだわらずにどんどん案内していくことで、無事全員に席に着いてもらうことができました。

「事前の準備はできるだけ完璧に。でも当日の現場では100%予定通り動かすことはできないので、柔軟に対応することが必要になると実感しました」と語ります。

 

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東北大でのシンポジウムの様子(出典:東北大学

 

高坂将哉(たかさか まさや)さんは、エマさんと同じく仙台に赴いたインターンの一人です。香港大学で国際政治を勉強した彼は、防災会議前に、事務総長が視察する被災地の候補地の下調べを行っていました。また、メカにも強い高坂さんは、事務総長の写真を撮る仕事を任されました。警備の目が光り、多くの要人が出席する独特の雰囲気に圧倒されながら、「自分のような若者が本当にここにいていいのだろうか?」と何度も思ったそうです。

その思いをふっきることができたきっかけは、事務総長が仙台の南蒲生(みなみがもう)コミュニティセンターを視察したときです。

事務総長はここで、東日本大震災被災した人々と触れ合いました。

 

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南蒲生コミュニティーセンターで、東日本大震災被災した人々と触れ合う事務総長。伝統の「すずめ踊り」を通じてコミュニティの心をつなぐ取り組みについて説明を受けた。「自分のやってきた仕事と防災会議への繋がりを実感できた瞬間でした」(高坂さん)

このコミュニティセンターは小さな建物なので、必然的に事務総長との距離が近くなります。国連広報センターの腕章とIDカードを見せ、事務総長の近くに寄ることができた高坂さんが、「やるしかない」と決意し、必死に撮ったのが上の写真です。

  

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 『すずめ踊り』に参加した子どもたちの笑顔が印象的

「初めは緊張していた子どもたちも、言葉を交わすうちに最高の笑顔を見せてくれました」(高坂さん)

 

「自然災害から人の命を守るために新しい枠組みを作成する」という目的で開催された今回の防災会議ですが、高坂さんは国連広報センターのインターンが行ってきた仕事と会議の目的との繋がりが見えにくいと感じていました。

 その中で、「国連事務総長という立場にある人が、自分たちが下調べした南蒲生コミュニティセンターを訪れ、被災した子どもたちと触れ合う場面を目にできたのは嬉しかった」と言います。

 

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奥山仙台市長(左)の説明で南蒲生浄化センターを視察する潘事務総長

「『動き』を感じ取れる場面を意識して写真を撮りました」(高坂さん)

 

最後に、エマさんと高坂さんが共通して感じたのは、「国連代表団の方たちがとてもフレンドリーで、国連広報センターのインターンに対し、チームの一員として接してくれた」ということです。彼らは、情熱を持って国連の使命を全うすべく仕事をしていました。関わった全ての人々の尽力のおかげで、今回の事務総長訪日と、防災世界会議は成功したと言えるでしょう。

 

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潘事務総長からねぎらいの言葉を頂き、握手を交わすインターン

 

国連と日本が、共に世界の問題解決に取り組む現場を間近に見ることができる。

今回は、そんな国連広報センターのインターンとしての醍醐味を存分に味わえる体験になりました。

 

被災後の生活を「美しく」 ―潘基文国連事務総長夫人と建築家坂茂さんの懇談会に出席してー

災害の多い日本では、災害の影響をどのように減少させるか、そして災害の後、どのように復興を進めるかが大きな問題となっています。この問題に建築の面から取り組んでおられる建築家の坂茂(ばん・しげる)さん。国連防災世界会議開催中、潘基文国連事務総長とともに訪日された夫人と坂茂さんとの懇談会に、国連広報センターのインターン小林が参加しました。

 坂さんは、国内外の多くの国々で災害後、仮設住宅を建築するなど、災害後の人々の生活を支えています。坂さんの建築について注目すべきなのが、その建築手法です。紙のチューブや現地で採れる材料を使用したりと、運びやすく心地の良い素材を使い、現地の環境にやさしい建築を行っています。

f:id:UNIC_Tokyo:20150316141428j:plain 坂さんが建築した仮設の教会をご覧になり、「仮設の建物とは思えない」と感心する事務総長夫人

坂さんの作品の写真パネルを前に、”beautiful!”と感嘆の声を上げられた事務総長夫人。坂さんに、「お金のためでなく、多くの人のために働かれており、すばらしい」と言葉をかけておられました。

f:id:UNIC_Tokyo:20150316143507j:plain坂さんの説明に熱心に耳を傾ける事務総長夫人

また、懇談会中には、実際に被災地の避難所に設置された間仕切りを組み立てるデモンストレーションも行われました。あっという間に組み立てられる間仕切りを目にし、夫人は、間仕切りの支柱である紙のチューブを触りながら、”it is really strong.”とその丈夫さに関心していました。

f:id:UNIC_Tokyo:20150316142225j:plain坂さんが東日本大震災の際に被災地の仮設住宅で使用した間仕切りを、あっという間に組み立てる

懇談会の中で、坂さんは建築についてこう語ります。「今までの建築は、権力に寄り添って発展してきました。「目に見えない」ものである権力を、豪華な素材や絢爛な様式の建物を建てることで「見える」ものにする技術ばかりを発展させてきたと言えます。しかし、これからは傷ついた人々の役に立つ方向の建築技術を発展させていくべきだと思います。今回の被災地に建築したものは、その試みのひとつです。」

災害を完全に無くすことは不可能でも、災害の後、被災した人々にどのように寄り添うかで、人々の心のあり方は大きく変化するはずです。坂さんの言葉は、被災した人々に寄り添う、新たな建築のあり方を示すものといえるのではないでしょうか。その手法とデザインは、混沌とした被災地の中にあって、「美しい」とまで感じさせる空気感をかもし出している、そう私は感じました。

f:id:UNIC_Tokyo:20150316142848j:plain坂さんの事務所の韓国人インターンに、韓国語で励ましの言葉をかける夫人

坂さんの作品と彼の姿勢に共感する夫人の懇談会の様子から、被災した人々をいたわることの大切さを実感させる懇談会となりました。

ビジネスの世界から離れて:UNICでの経験より得たこと

今年7月から3ヶ月間、この国連広報センターでインターンを行いました中林明子です。

私は大学を卒業し民間企業に務めた後、通訳・翻訳学を学ぶためオーストラリアの大学院へ留学。卒業後、ビジネスの世界へ戻る前に企業では経験できない体験をしたいと思い、この広報センターへのインターン応募を決めました。

3ヶ月という短い期間でしたが、気候サミットの開催やエボラ出血熱、紛争などに対する国連の様々な活動に関わることができました。取り組む課題が地球規模で多岐にわたり、また対価を求めた活動ではないため広報活動がより重要となり、ビジネスとは大きく異なることを感じさせられるインターンシップでした。

特に印象的だったは9月23日に国連本部で開催された気候サミットです。開催地はニューヨークの国連本部でしたが、この広報センターでも関連記事やビデオなどの情報をウェブサイトやソーシャルメディアを通じて発信しました。この作業に関わることで、サミット開催当日に向けて大きなモメンタムが形成されていく様子を肌で感じることができました。例えば、環境問題におけるセレブリティの起用やビジネス社会を対象としたイベントの実施、各国メディアと協力作成したビデオを通して、市民社会への呼びかけを行いました。その一方で、日本を含む世界各国の首脳陣に対して総会への参加を促し、各国のコミットメントへつなげていく様子は国連の強い影響力と行動力を感じました。

また国連広報局マヘル・ナセル局長代行の来日時に開催された模擬国連のワークショップや国連アカデミック・インパクト(UNAI)、日本全国の国連寄託図書館、CCOI(クリエイティブ・コミュニティー・アウトリーチ・イニシアチブ)に関するイベントのサポートをする機会をいただいたことも、 記憶に残る思い出の一つです。この準備のため局長代行の総会でのスピーチなどを聞き、そして当日イベントに参加する中で、学術界、NGO、ビジネスだけでな く、クリエイティブ・コミュニティを巻き込む幅広いアウトリーチ活動を感じる機会となりました。

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(国連広報局マヘル・ナセル局長代行が参加した国連寄託図書館との会議で、通訳をする筆者)

また翻訳や通訳の機会をいただく中で、大学院で得たスキルを実務で活かす経験ができ、今後のキャリアに大きな意味のあるものとなりました。特にイン ターンとして始めて取り組んだ気候サミットに関する資料の翻訳では、職員の方に何度も確認していただき、広報センターの文書として適切な言葉に修正していただいたことを今でも鮮明に覚えています。さらに国際関係のコンテキストにおいて適切な言葉、文章の書き方やビデオ字幕のコツなど、実践的なスキルを学ぶよい機会となりました。

国際関係を専攻としていない私にとって、国連の取り組む課題は今までテレビの向こう側の世界でした。しかし、このインターンシップを通じて情報発信に関わることで、国連がより身近に感じるようになりました。また、各国の国連事務所で様々な経験をもつ職員の方々や、各国から集まったインターンとの交流も、とてもよい刺激でした。ビジネスの世界に戻っても、国際社会に貢献できるグローバルな人材でありたいと思っています。

根本所長を始め、暖かくサポートしていただきました職員の皆様に心より感謝を申し上げます。そして共にひとときを過ごしたインターンの皆様、楽しい時間をありがとう!

 

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(コロンビア大学からジェフリー・サックス教授とともに。右側が筆者。)

国連広報センターでインターンとしての夏休み

My Summer as an Intern at UNIC Tokyo

6月から2ヵ月半、国連広報センター(UNIC)でインターンシップをしていた、デンマーク出身のラスムス・フットロップさんが、インターンの経験について以下のブログを書いてくれました。「国連広報センターでインターンとして働くことは、私にとって貴重な経験であり、国連の様々な組織について多くを学びました。しかし何よりも、職員の方々やインターンの仲間と一緒に働けたことを嬉しく思います」と語っています。

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Hi, my name is Rasmus.

I was so fortunate as to be given the opportunity to do an internship at UNIC during my summer holiday this year, an opportunity that brought me all the way from Denmark to the hot and humid summer weather of Tokyo. I had no previous experience being in a Japanese workplace, and I had certain preconceptions about formal settings where there would be suits, ties and people with stern expressions. Suffice to say that I was forced to reevaluate this image pretty quickly.

On my first day I arrived in wearing a suit and, not at all contrary to my expectations, a tall young Japanese man who was wearing a suit and a stern expression to match came down to greet me in the lobby and proceeded to lead me to the office. It turns out that he was intern as well, and also the only person in the office who was wearing a suit.

I was pleasantly surprised to find that the atmosphere at UNIC Tokyo is really friendly and relaxed. The staff members are all very kind and, while the interns only stay for a few months, they are usually very internationally-oriented and open-minded people. I had the pleasure of being a part of a great team of interns, and lunch breaks were usually one of the high points of the day for me, which is why I personally did my utmost to make sure they were carried out in a timely manner every day at 12:30 exactly.

As an intern, one is given a combination of daily tasks as well as short- and medium-term projects, some of which allow for a bit of creativity on the part of the intern. I happened to intern in the middle of the summer, which is not exactly the busiest time of the year, but I still got the chance to participate in the China-Japan-Korea Roundtable Conference established by the Global Compact Local Networks. The conference convened UN officials, scholars, businessmen and university students to discuss how the private sector can take a proactive approach to implementing CSR policies that are both financially sound and also to the benefit of society and the environment.

Working as an intern at UNIC was for me a valuable experience where I got to learn a great deal about the different organizations of the UN. However, more than anything I appreciate the people I got to work with, staff and interns alike. I feel like I have made some great friends and only two weeks after finishing my internship, I am already starting to miss the office and the people I met there.

I am sitting in front of my laptop in Denmark writing this and I am able to look back at some wonderful memories. Therefore, on a final note, I would like to thank all the people who spend this summer together with me at the UNIC Tokyo office.

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UNICで経験したこと

こんにちは、8月末までインターンをしていたワン・グレースです。大学で勉強を再開した今、国連広報センターで過ごした3カ月間を懐かしく思います。

 

私はトロント大学で国際関係を専攻しており、国連機関で働くことに強い興味を持ったので、インターンシップに応募しました。UNIC での今回のインターンシップでは多くのことを学ぶことができ、就労経験がない私にとってとても貴重な経験でした。

 

短い間でしたが、国連の様々な業務と広報活動に携わらせていただきました。最も印象に残っているのは、上智大学で開催された中東和平国際メディア・セミナーです。インターンシップを始めてすぐにこのような大きなイベントに携わり、国連本部の職員と交流できたことを大変嬉しく思います。2日間にわたるメディア・セミナーで登壇者たちはSNSや市民ジャーナリズム、インフォグラフィックといった新しいメディアを紹介しながら中東問題について熱く討論していました。UNICの職員さんからアドバイスをいただきながらセミナーの記事を書かせていただき、とても勉強になりました。他にも、児童労働、MDGsと気候変動サミット、小島嶼開発途上国についてリサーチしたり、資料を翻訳したりする機会があったので、世界が抱える諸問題についての知識を広げることができました。

 

UNICで過ごした3カ月間はとても楽しかったです。インターンの仲間たちは皆個性的で、昼休みはお互いのストーリーを語り合ったり、冗談を言ったり、いつも楽しく過ごしました。今回のインターンシップを通して友達が増えたことをとても嬉しく思います。

 

UNICの職員の方々には大変感謝しています。仕事に不慣れな私に優しく指導をし、様々な業務を経験させて下さって、本当にありがとうございました。3カ月間お世話になりました!

 

「出会い」にあふれた4ヶ月:私のUNICインターン経験

こんにちは!この度、UNICでの4ヶ月間のインターンシップを終了しました内藤春香です。将来国際機関で働くことを目標とする私は、「国連で働くとはどういうことなのか、実際に経験してみたい」という思いで、このインターンシップに応募しました。結果的に、UNICはこの思いを実現するのに最適な場所だったと考えます。国連を統括する事務局という機関に属するUNICで、広報という多角的な仕事に携わったからこそ、国連の多様な働きを俯瞰的に見ることができたと感じています。

 私がこの4ヶ月で得たもの、それは「出会い」という一言に尽きます。

 第一に、私は、国連には各国政府以外にも様々なステークホルダーが関わっていることを学び、それを代表する民間企業や教育機関との出会いを経験することができました。そのきっかけの一つは、国連グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク(GC-JN)国際労働機関(ILO)と共に進めた、「児童労働プロジェクト」です。児童労働に関するリサーチを進める中で、サプライ・チェーンにおける児童労働を撤廃するためには、政府や市民社会だけではなく、企業一社一社の貢献も不可欠であると気付かされました。また、国連アカデミック・インパクト・ジャパン(UN-AI Japan)のウェブサイト翻訳に携わり、教育機関と国連の連携についても学ぶ機会を得ることができました。UNICでインターンをするまで、「国連は主に政府間交渉の場」というイメージを抱いていたため、民間セクターや教育機関との協働を知ることで、改めて国連の活動の広さを実感しました。(これらは今後公開されていく予定なので、ぜひUNIC、GC-JN、UN-AI Japanのウェブサイトをチェックして下さい!)

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 ▲9月にNYでサミットが開催される気候変動の問題においても、民間セクターの協力は不可欠となります。GC-JNの皆様と。 #Climate2014 

第二の出会い、それは世界各地の最前線で活躍する国連職員の方々とのものでした。UNICの重要な仕事の一つは、国連の高官が来日した際に、記者会見やメディアとのインタビューを設置することです。そのような機会に同行し、臨場感にあふれる現場からの報告を聞けたことは、世界各地の諸問題の「今」を知る上で非常に有益でした。また、6月に開催された「中東和平国際メディアセミナー」の際に、NYの国連本部で働く広報局の職員の方々と仕事をすることができたことは、私のインターンシップのハイライトとも言えるでしょう。このイベントのロジスティックス管理は非常に大きな仕事でしたが、2日間にわたる大規模なイベントが終了した後の達成感は、その苦労を遥かに超えるものでした。また、イベント後にNYから来ていた職員の方々に東京の街を案内したことも、楽しい思い出となっています。 f:id:UNIC_Tokyo:20140902175208j:plain

▲中東和平国際メディアセミナーにて 

国連職員の方々とのたくさんの出会いの中で、特に思い出深いのは、日本人職員の方々とのものです。UNICホームページの「国連職員の声」という連載企画に携わり、職員さんへのインタビューと掲載記事の編集を行いました。様々なキャリアパスを経て、国連で活躍している職員のお話を聞き、私が学んだのは、「正解はない」ということ。学生時代から国連職員を目指している方もいれば、たまたま好きなことを突き詰めていったら国連へ辿り着いた方もいる。大学卒業後すぐに国際協力の道へ進んだ方もいれば、長年、民間企業で国連とは遠い仕事に従事していた方もいます。しかし、共通しているのは、確固たる信念を持っているということでした。貧困をなくしたい、紛争をなくしたい、女性のエンパワメントに貢献したい、地球温暖化を止めたい、などの「世界をより良い場所に変える」という思いを皆さん抱いており、その真っ直ぐな姿は、国連を目指す私を勇気づけてくれました。

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▲左:国連リベリア・ミッション(UNMIL)モンロビア事務所ミッションサポートスタッフの池田明子さんと(筆者左)

▲右:国連本部経済社会局統計部副部長の大崎(富田)敬子さんと(筆者左側中央)

 そして第三に、私はこの4ヶ月間で、たくさんの志高き中学生、高校生と出会うことができました。UNICの「国連訪問」というプログラムでは、修学旅行や校外学習で国連大学ビルを訪れる中高生を対象に、国連やUNICの活動を紹介するガイドツアーを実施しています。生徒さんたちが、話を聞きながら必死でメモを取る姿や、「この中で、将来国連で働くことに興味がある人はいますか?」という質問に対して元気よく手を挙げる姿を見て、たくさんのエネルギーをもらったと同時に、私も負けてられない!という気持ちになりました。 

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▲「国連訪問」のガイドツアーを行う筆者 

そして最後に、私のインターンシップ経験は、このUNICで出会った職員さん、インターン仲間なくして語ることはできません。たった7人という少人数で、「日本の皆さんに国連の活動についてもっと知ってもらう」という、重要かつ大規模な仕事をこなすUNICの職員の方々。UNICの業務に関しても、キャリアのことに関しても、親身に相談に乗っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、日本、ドイツ、イギリス、インド、中国、デンマーク、オーストラリアなど様々なバックグラウンドを持ち、大学生、大学院生、社会人と立場もバラバラでありながら、毎日ともに仕事を行ったインターン仲間たち。UNICオフィスの真ん中に存在する「インターン島」はいつも笑いが絶えず、お互いの仕事を助けあう声が聞こえてくる、非常に素敵な環境でした。 

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▲UNIC職員とインターン仲間と(後列中央左が筆者) 

私は現在大学生ということもあり、週5フルタイムの勤務が求められるこのインターンシップに応募することを躊躇したのは事実です。しかし、夜間やオンラインの授業を取ることで、学業とインターンシップを両立させることができました。このブログを読んでくださっている大学生の中でも、インターンシップ応募を検討している方がいましたら、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。そして私と同等、もしくはそれ以上の素晴らしい経験を得てください!

 UNICで得た学びを活かし、今後私も「世界をより良い場所へ変える」ことができる人間になるため、精進していきたいと思います。UNICで経験した全ての出会いに、心から感謝を申し上げます。4ヶ月間、本当にありがとうございました!!