国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

被災後の生活を「美しく」 ―潘基文国連事務総長夫人と建築家坂茂さんの懇談会に出席してー

災害の多い日本では、災害の影響をどのように減少させるか、そして災害の後、どのように復興を進めるかが大きな問題となっています。この問題に建築の面から取り組んでおられる建築家の坂茂(ばん・しげる)さん。国連防災世界会議開催中、潘基文国連事務総長とともに訪日された夫人と坂茂さんとの懇談会に、国連広報センターのインターン小林が参加しました。

 坂さんは、国内外の多くの国々で災害後、仮設住宅を建築するなど、災害後の人々の生活を支えています。坂さんの建築について注目すべきなのが、その建築手法です。紙のチューブや現地で採れる材料を使用したりと、運びやすく心地の良い素材を使い、現地の環境にやさしい建築を行っています。

f:id:UNIC_Tokyo:20150316141428j:plain 坂さんが建築した仮設の教会をご覧になり、「仮設の建物とは思えない」と感心する事務総長夫人

坂さんの作品の写真パネルを前に、”beautiful!”と感嘆の声を上げられた事務総長夫人。坂さんに、「お金のためでなく、多くの人のために働かれており、すばらしい」と言葉をかけておられました。

f:id:UNIC_Tokyo:20150316143507j:plain坂さんの説明に熱心に耳を傾ける事務総長夫人

また、懇談会中には、実際に被災地の避難所に設置された間仕切りを組み立てるデモンストレーションも行われました。あっという間に組み立てられる間仕切りを目にし、夫人は、間仕切りの支柱である紙のチューブを触りながら、”it is really strong.”とその丈夫さに関心していました。

f:id:UNIC_Tokyo:20150316142225j:plain坂さんが東日本大震災の際に被災地の仮設住宅で使用した間仕切りを、あっという間に組み立てる

懇談会の中で、坂さんは建築についてこう語ります。「今までの建築は、権力に寄り添って発展してきました。「目に見えない」ものである権力を、豪華な素材や絢爛な様式の建物を建てることで「見える」ものにする技術ばかりを発展させてきたと言えます。しかし、これからは傷ついた人々の役に立つ方向の建築技術を発展させていくべきだと思います。今回の被災地に建築したものは、その試みのひとつです。」

災害を完全に無くすことは不可能でも、災害の後、被災した人々にどのように寄り添うかで、人々の心のあり方は大きく変化するはずです。坂さんの言葉は、被災した人々に寄り添う、新たな建築のあり方を示すものといえるのではないでしょうか。その手法とデザインは、混沌とした被災地の中にあって、「美しい」とまで感じさせる空気感をかもし出している、そう私は感じました。

f:id:UNIC_Tokyo:20150316142848j:plain坂さんの事務所の韓国人インターンに、韓国語で励ましの言葉をかける夫人

坂さんの作品と彼の姿勢に共感する夫人の懇談会の様子から、被災した人々をいたわることの大切さを実感させる懇談会となりました。

ビジネスの世界から離れて:UNICでの経験より得たこと

今年7月から3ヶ月間、この国連広報センターでインターンを行いました中林明子です。

私は大学を卒業し民間企業に務めた後、通訳・翻訳学を学ぶためオーストラリアの大学院へ留学。卒業後、ビジネスの世界へ戻る前に企業では経験できない体験をしたいと思い、この広報センターへのインターン応募を決めました。

3ヶ月という短い期間でしたが、気候サミットの開催やエボラ出血熱、紛争などに対する国連の様々な活動に関わることができました。取り組む課題が地球規模で多岐にわたり、また対価を求めた活動ではないため広報活動がより重要となり、ビジネスとは大きく異なることを感じさせられるインターンシップでした。

特に印象的だったは9月23日に国連本部で開催された気候サミットです。開催地はニューヨークの国連本部でしたが、この広報センターでも関連記事やビデオなどの情報をウェブサイトやソーシャルメディアを通じて発信しました。この作業に関わることで、サミット開催当日に向けて大きなモメンタムが形成されていく様子を肌で感じることができました。例えば、環境問題におけるセレブリティの起用やビジネス社会を対象としたイベントの実施、各国メディアと協力作成したビデオを通して、市民社会への呼びかけを行いました。その一方で、日本を含む世界各国の首脳陣に対して総会への参加を促し、各国のコミットメントへつなげていく様子は国連の強い影響力と行動力を感じました。

また国連広報局マヘル・ナセル局長代行の来日時に開催された模擬国連のワークショップや国連アカデミック・インパクト(UNAI)、日本全国の国連寄託図書館、CCOI(クリエイティブ・コミュニティー・アウトリーチ・イニシアチブ)に関するイベントのサポートをする機会をいただいたことも、 記憶に残る思い出の一つです。この準備のため局長代行の総会でのスピーチなどを聞き、そして当日イベントに参加する中で、学術界、NGO、ビジネスだけでな く、クリエイティブ・コミュニティを巻き込む幅広いアウトリーチ活動を感じる機会となりました。

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(国連広報局マヘル・ナセル局長代行が参加した国連寄託図書館との会議で、通訳をする筆者)

また翻訳や通訳の機会をいただく中で、大学院で得たスキルを実務で活かす経験ができ、今後のキャリアに大きな意味のあるものとなりました。特にイン ターンとして始めて取り組んだ気候サミットに関する資料の翻訳では、職員の方に何度も確認していただき、広報センターの文書として適切な言葉に修正していただいたことを今でも鮮明に覚えています。さらに国際関係のコンテキストにおいて適切な言葉、文章の書き方やビデオ字幕のコツなど、実践的なスキルを学ぶよい機会となりました。

国際関係を専攻としていない私にとって、国連の取り組む課題は今までテレビの向こう側の世界でした。しかし、このインターンシップを通じて情報発信に関わることで、国連がより身近に感じるようになりました。また、各国の国連事務所で様々な経験をもつ職員の方々や、各国から集まったインターンとの交流も、とてもよい刺激でした。ビジネスの世界に戻っても、国際社会に貢献できるグローバルな人材でありたいと思っています。

根本所長を始め、暖かくサポートしていただきました職員の皆様に心より感謝を申し上げます。そして共にひとときを過ごしたインターンの皆様、楽しい時間をありがとう!

 

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(コロンビア大学からジェフリー・サックス教授とともに。右側が筆者。)

国連広報センターでインターンとしての夏休み

My Summer as an Intern at UNIC Tokyo

6月から2ヵ月半、国連広報センター(UNIC)でインターンシップをしていた、デンマーク出身のラスムス・フットロップさんが、インターンの経験について以下のブログを書いてくれました。「国連広報センターでインターンとして働くことは、私にとって貴重な経験であり、国連の様々な組織について多くを学びました。しかし何よりも、職員の方々やインターンの仲間と一緒に働けたことを嬉しく思います」と語っています。

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Hi, my name is Rasmus.

I was so fortunate as to be given the opportunity to do an internship at UNIC during my summer holiday this year, an opportunity that brought me all the way from Denmark to the hot and humid summer weather of Tokyo. I had no previous experience being in a Japanese workplace, and I had certain preconceptions about formal settings where there would be suits, ties and people with stern expressions. Suffice to say that I was forced to reevaluate this image pretty quickly.

On my first day I arrived in wearing a suit and, not at all contrary to my expectations, a tall young Japanese man who was wearing a suit and a stern expression to match came down to greet me in the lobby and proceeded to lead me to the office. It turns out that he was intern as well, and also the only person in the office who was wearing a suit.

I was pleasantly surprised to find that the atmosphere at UNIC Tokyo is really friendly and relaxed. The staff members are all very kind and, while the interns only stay for a few months, they are usually very internationally-oriented and open-minded people. I had the pleasure of being a part of a great team of interns, and lunch breaks were usually one of the high points of the day for me, which is why I personally did my utmost to make sure they were carried out in a timely manner every day at 12:30 exactly.

As an intern, one is given a combination of daily tasks as well as short- and medium-term projects, some of which allow for a bit of creativity on the part of the intern. I happened to intern in the middle of the summer, which is not exactly the busiest time of the year, but I still got the chance to participate in the China-Japan-Korea Roundtable Conference established by the Global Compact Local Networks. The conference convened UN officials, scholars, businessmen and university students to discuss how the private sector can take a proactive approach to implementing CSR policies that are both financially sound and also to the benefit of society and the environment.

Working as an intern at UNIC was for me a valuable experience where I got to learn a great deal about the different organizations of the UN. However, more than anything I appreciate the people I got to work with, staff and interns alike. I feel like I have made some great friends and only two weeks after finishing my internship, I am already starting to miss the office and the people I met there.

I am sitting in front of my laptop in Denmark writing this and I am able to look back at some wonderful memories. Therefore, on a final note, I would like to thank all the people who spend this summer together with me at the UNIC Tokyo office.

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UNICで経験したこと

こんにちは、8月末までインターンをしていたワン・グレースです。大学で勉強を再開した今、国連広報センターで過ごした3カ月間を懐かしく思います。

 

私はトロント大学で国際関係を専攻しており、国連機関で働くことに強い興味を持ったので、インターンシップに応募しました。UNIC での今回のインターンシップでは多くのことを学ぶことができ、就労経験がない私にとってとても貴重な経験でした。

 

短い間でしたが、国連の様々な業務と広報活動に携わらせていただきました。最も印象に残っているのは、上智大学で開催された中東和平国際メディア・セミナーです。インターンシップを始めてすぐにこのような大きなイベントに携わり、国連本部の職員と交流できたことを大変嬉しく思います。2日間にわたるメディア・セミナーで登壇者たちはSNSや市民ジャーナリズム、インフォグラフィックといった新しいメディアを紹介しながら中東問題について熱く討論していました。UNICの職員さんからアドバイスをいただきながらセミナーの記事を書かせていただき、とても勉強になりました。他にも、児童労働、MDGsと気候変動サミット、小島嶼開発途上国についてリサーチしたり、資料を翻訳したりする機会があったので、世界が抱える諸問題についての知識を広げることができました。

 

UNICで過ごした3カ月間はとても楽しかったです。インターンの仲間たちは皆個性的で、昼休みはお互いのストーリーを語り合ったり、冗談を言ったり、いつも楽しく過ごしました。今回のインターンシップを通して友達が増えたことをとても嬉しく思います。

 

UNICの職員の方々には大変感謝しています。仕事に不慣れな私に優しく指導をし、様々な業務を経験させて下さって、本当にありがとうございました。3カ月間お世話になりました!

 

「出会い」にあふれた4ヶ月:私のUNICインターン経験

こんにちは!この度、UNICでの4ヶ月間のインターンシップを終了しました内藤春香です。将来国際機関で働くことを目標とする私は、「国連で働くとはどういうことなのか、実際に経験してみたい」という思いで、このインターンシップに応募しました。結果的に、UNICはこの思いを実現するのに最適な場所だったと考えます。国連を統括する事務局という機関に属するUNICで、広報という多角的な仕事に携わったからこそ、国連の多様な働きを俯瞰的に見ることができたと感じています。

 私がこの4ヶ月で得たもの、それは「出会い」という一言に尽きます。

 第一に、私は、国連には各国政府以外にも様々なステークホルダーが関わっていることを学び、それを代表する民間企業や教育機関との出会いを経験することができました。そのきっかけの一つは、国連グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク(GC-JN)国際労働機関(ILO)と共に進めた、「児童労働プロジェクト」です。児童労働に関するリサーチを進める中で、サプライ・チェーンにおける児童労働を撤廃するためには、政府や市民社会だけではなく、企業一社一社の貢献も不可欠であると気付かされました。また、国連アカデミック・インパクト・ジャパン(UN-AI Japan)のウェブサイト翻訳に携わり、教育機関と国連の連携についても学ぶ機会を得ることができました。UNICでインターンをするまで、「国連は主に政府間交渉の場」というイメージを抱いていたため、民間セクターや教育機関との協働を知ることで、改めて国連の活動の広さを実感しました。(これらは今後公開されていく予定なので、ぜひUNIC、GC-JN、UN-AI Japanのウェブサイトをチェックして下さい!)

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 ▲9月にNYでサミットが開催される気候変動の問題においても、民間セクターの協力は不可欠となります。GC-JNの皆様と。 #Climate2014 

第二の出会い、それは世界各地の最前線で活躍する国連職員の方々とのものでした。UNICの重要な仕事の一つは、国連の高官が来日した際に、記者会見やメディアとのインタビューを設置することです。そのような機会に同行し、臨場感にあふれる現場からの報告を聞けたことは、世界各地の諸問題の「今」を知る上で非常に有益でした。また、6月に開催された「中東和平国際メディアセミナー」の際に、NYの国連本部で働く広報局の職員の方々と仕事をすることができたことは、私のインターンシップのハイライトとも言えるでしょう。このイベントのロジスティックス管理は非常に大きな仕事でしたが、2日間にわたる大規模なイベントが終了した後の達成感は、その苦労を遥かに超えるものでした。また、イベント後にNYから来ていた職員の方々に東京の街を案内したことも、楽しい思い出となっています。 f:id:UNIC_Tokyo:20140902175208j:plain

▲中東和平国際メディアセミナーにて 

国連職員の方々とのたくさんの出会いの中で、特に思い出深いのは、日本人職員の方々とのものです。UNICホームページの「国連職員の声」という連載企画に携わり、職員さんへのインタビューと掲載記事の編集を行いました。様々なキャリアパスを経て、国連で活躍している職員のお話を聞き、私が学んだのは、「正解はない」ということ。学生時代から国連職員を目指している方もいれば、たまたま好きなことを突き詰めていったら国連へ辿り着いた方もいる。大学卒業後すぐに国際協力の道へ進んだ方もいれば、長年、民間企業で国連とは遠い仕事に従事していた方もいます。しかし、共通しているのは、確固たる信念を持っているということでした。貧困をなくしたい、紛争をなくしたい、女性のエンパワメントに貢献したい、地球温暖化を止めたい、などの「世界をより良い場所に変える」という思いを皆さん抱いており、その真っ直ぐな姿は、国連を目指す私を勇気づけてくれました。

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▲左:国連リベリア・ミッション(UNMIL)モンロビア事務所ミッションサポートスタッフの池田明子さんと(筆者左)

▲右:国連本部経済社会局統計部副部長の大崎(富田)敬子さんと(筆者左側中央)

 そして第三に、私はこの4ヶ月間で、たくさんの志高き中学生、高校生と出会うことができました。UNICの「国連訪問」というプログラムでは、修学旅行や校外学習で国連大学ビルを訪れる中高生を対象に、国連やUNICの活動を紹介するガイドツアーを実施しています。生徒さんたちが、話を聞きながら必死でメモを取る姿や、「この中で、将来国連で働くことに興味がある人はいますか?」という質問に対して元気よく手を挙げる姿を見て、たくさんのエネルギーをもらったと同時に、私も負けてられない!という気持ちになりました。 

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▲「国連訪問」のガイドツアーを行う筆者 

そして最後に、私のインターンシップ経験は、このUNICで出会った職員さん、インターン仲間なくして語ることはできません。たった7人という少人数で、「日本の皆さんに国連の活動についてもっと知ってもらう」という、重要かつ大規模な仕事をこなすUNICの職員の方々。UNICの業務に関しても、キャリアのことに関しても、親身に相談に乗っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、日本、ドイツ、イギリス、インド、中国、デンマーク、オーストラリアなど様々なバックグラウンドを持ち、大学生、大学院生、社会人と立場もバラバラでありながら、毎日ともに仕事を行ったインターン仲間たち。UNICオフィスの真ん中に存在する「インターン島」はいつも笑いが絶えず、お互いの仕事を助けあう声が聞こえてくる、非常に素敵な環境でした。 

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▲UNIC職員とインターン仲間と(後列中央左が筆者) 

私は現在大学生ということもあり、週5フルタイムの勤務が求められるこのインターンシップに応募することを躊躇したのは事実です。しかし、夜間やオンラインの授業を取ることで、学業とインターンシップを両立させることができました。このブログを読んでくださっている大学生の中でも、インターンシップ応募を検討している方がいましたら、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。そして私と同等、もしくはそれ以上の素晴らしい経験を得てください!

 UNICで得た学びを活かし、今後私も「世界をより良い場所へ変える」ことができる人間になるため、精進していきたいと思います。UNICで経験した全ての出会いに、心から感謝を申し上げます。4ヶ月間、本当にありがとうございました!!

 

紅茶と皮肉、そしてちょっと風変わりな大阪弁

4月から3ヶ月間インターンを務めた今川匠です。梅雨の季節、懐かしきイギリスの雨を思い出させてくれる東京をインターンとして楽しみました。大変興味深い、貴重な経験をしたと認識しています。

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3ヶ月間お世話になったUNIC職員、インターン仲間と(後列中央が筆者)

 

私は生まれは日本ですが、人生の大半を欧州で過ごしました。日本語よりも英語を得意とするので、UNICでは主に英語関係の仕事に関わりました。和文の英訳、英語の動画の字幕作成、英語で書かれたレポートの読解などをするにあたり、大学・大学院で学んだ技能だけでなく、それ以上のスキルも使うことができ有意義な経験となりました。また、インターンの中には社会人経験を持つ方もおり、社会人としての働き方を垣間見ることができたことも、勉強になりました。思い返せば、今まで周りにパソコン関連に強い方が多かったのでしょう。こちらでは、いつの間にかインターンだけでなく、職員の方々からもソフト・ハードの面で相談を受けるようになりました。

 

UNICでは私の風変わりな日本語に対応いただいたことに感謝します。とはいえ、関西出身の職員がいたからか、私のちょっと変わった大阪弁につられて、関西の方言が徐々にオフィスに広がっていく様子は微笑ましいものでした。様々な面で優秀なインターンの方々と肩を並べることができたことを嬉しく思います。

 

6月9日・10日にかけて上智大学で行われた国連主催の中東和平国際メディア・セミナーは、私のインターン期間のハイライトとなりました。国連本部の広報局からもスタッフが来日し交流できたことは、貴重な経験となりました。中でも国連での就職を目指している私を励ましていただいたことは大きな思い出となりました。これだけでも3ヶ月間のインターンを務めた甲斐があったと言えるでしょう。

 

私は5歳の時に海外に出て、スイスで13年、イギリス6年、日本で合計3年、その間アメリカ1年と長い海外生活を送ってきました。日本という場でこれほどまでに国際的な雰囲気の中でインターンができたことに感謝します。

 

楽しい日々はこれにて一旦幕を閉じます。次のステージは果たして喜劇となるか悲劇となるか、、、、

Acta est fabula, plaudite!(喝采を、喜劇は終わった)

 

「毎日が新しい発見と学びの連続」

こんにちは、鉢呂健太です。今年3月に京都大学法学部を卒業した私は、8月からエディンバラ大学大学院修士課程(国際社会学専攻)への進学が決まっています。そしてその間の4か月、国連広報センター(UNIC)でインターンとしてお世話になりました。

 

インターン期間中の業務は多岐に及びますが、中でも印象深いのは、6月9日・10日に開催された「国連中東和平国際メディア・セミナー」です。国連本部広報局が毎年1回、世界各地で開催するこのセミナーは、今年7年ぶりに日本で開催されました。UNICにとっても非常に大きな事業でしたが、インターンの私も、日本人登壇者との事前連絡、セミナー資料原稿の編集、本部との国際電話会議への参加、会場のロジスティックスの管理、当日の登壇者の通訳など、沢山の業務に携わらせていただきました。

このイベントのために日本に駆けつけた、世界の主要メディアで活躍するジャーナリスト、中東各国を代表する大使、世界各地の高名な学府から集った研究者、最先端の作品を世に送り続けるインフォグラフィック・デザイナー。30名にも及ぶ多彩な登壇者からお話を伺い、交流することができたのは、私の一生の財産です。また、ピーター・ラウンスキ=ティフェンタール国連広報担当事務次長を始め、ニューヨークから来日した国連本部職員らは、自身らの様々な経験を熱く語ってくれたばかりでなく、私たちインターンの声にも熱心に耳を傾けてくれました。

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国連中東和平国際メディア・セミナー」にて。左から、筆者が通訳を担当したインフォグラフィック・デザイナーの徳間貴志氏、国連本部職員のシャイマー・エル=アンサーリー氏、筆者。

 

また、私のインターンは、「国連訪問」事業を抜きにして語れません。国連訪問は中高生を対象とした事業で、国連大学本部ビル内の見学と、UNICや国連の活動に関するプレゼンテーションを行います。私はその主担当として、教育機関からの問合せへの対応、各校の訪問の登録、当日の訪問の実施、SNS用の記事作成などを統括し、合計で20校ほどの訪問を受け入れました。インターンとはいえ、訪問の間は学生らにとって私が国連の「顔」。沢山の責任も伴う業務でしたが、同時にエネルギー溢れる学生らとの出会いを通じ、私も沢山の元気をもらいました。

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国連大学図書館にて。「国連訪問」でいらっしゃった学生の皆さんに、国連総会決議書を紹介する筆者。

 

何もかもが初めての経験で、毎日が新しい発見と学びの連続でした。それら全てが私を成長させてくれ、インターンを終えた今、私の大きな自信となっています。そしてこのインターンを通じ、国際社会で自分はどのように活動していくか、沢山考えを巡らせることができました。このインターン期間中に出会った全ての人に、感謝申し上げます。そしてこれからも、UNICでの学びを胸に、精進を続けます。