8月7日に国連大学にて、東京大学の学生グループから、キム・ウォンス国連事務次長 兼軍縮担当上級代表代行へ、軍縮アクションガイド『軍縮のためのアクション:あなたにもできる10のこと』日本語版引渡し式が行われました!
この冊子は元々国連軍縮部(UNODA)が読者に、軍縮を通じて国際平和と安全を促進することに関心をもってもらうために書かれました。この冊子を、東京大学教養学部の岡田晃枝准教授率いる「平和のために東大生ができること」(正課授業)を履修している学生グループが8ヶ月間かけて翻訳した、というのがこのプロジェクトの概要です。
軍縮アクションガイド日本語版引渡しの様子
引渡し式当日、キム国連事務次長は、今回の日本語版が軍縮ガイドブック初の翻訳版であるという点に触れ、これから予定されている別言語での翻訳において大変優れた手本になると評価しました。また軍縮、特に核分野において日本の若者が担う役割の重要性について述べ、学生らの軍縮問題に対する継続的な関与へ期待を寄せました。
プロジェクトについて説明する学生
学生たちの話では、翻訳表現が的確かどうかメンバー全員で相談し合い、意見をまとめるのは決して簡単ではなかったそうです。そのうえで、「翻訳された冊子を通じて、日本の人々の軍縮への関心が高まれば」と、学生たちは希望を述べました。ともすれば若者の間では軍縮などの話題が敬遠されがちですが、日本語版ガイドブックを通じ若い世代にも関心をもってもらえるのでは、と彼らは期待していました。
学生からの説明にコメントするキム国連事務次長
実際に和訳された冊子がセンターに届き、私たちインターンも手にとってみたのですが、とてもカラフルで、『軍縮』という一見「重い」と感じてしまうテーマについて書かれているとは思えませんでした。「あなたにもできる10のこと」というタイトルの通り、私たち若者が身近に感じられる言葉で、簡潔に書かれているのもこの冊子の魅力だと思います。彼らの翻訳プロジェクトそのものが、「軍縮のためのアクション」だと感じました。
明記されている10項目のうちの3つを例にあげます。
〇考えを発信しよう
〇意見を訴えよう
〇輪を広げよう
これらは軍縮だけではなく、何か他の分野でアクションを起こす際にも十分に活用できるアイデアだと思います。そういう点でもこの冊子は様々な分野で重宝されるのではないでしょうか。
国連広報センターのインターンも国連の資料を翻訳することがあるのですが、より良い表現を求めて試行錯誤することも多く、このプロジェクトに携わった学生たちの苦労に大きく共感しました。また、実際に彼らがアクションを起こしている姿を見て、同じ学生として「負けていられない!」と、身が引き締まりました。
プロジェクトに関わった学生の皆さん、8ヶ月間お疲れ様でした!皆さんの撒いた種が、これから様々な場所で芽を生やしていくことを願っています。
キム国連事務次長を囲んで記念撮影
翻訳、おつかれさまでした!
PDF版は国連広報センターHPよりダウンロード可能です。
http://www.unic.or.jp/news_press/info_materials/booklets_leaflets/