最初にセンター所長の根本かおるから、いまだ収束したとは言えないコロナ禍、一層加速する気候危機、ウクライナでの戦争とcost of living crisesと格差の急拡大、情報戦を含む誤情報・偽情報の蔓延などが連鎖的に同時進行する中で、国連が国連史上最も難しい局面をかじ取りしなければならない状況にあることを説明。そして、なによりも今年がSDGs達成年までの中間地点であることを強調して、SDGs達成に向けた図書館の皆さんの協力を訴えました。
【団体概要】ヘラルボニー 福祉を起点に新たな文化を創り出す”福祉実験ユニット”。主に知的障害のある作家とアートライセンス契約を結び、彼らの作品を活かした商品や企画を大手企業や行政などと連携して実現。創業者で双子の松田文登(ふみと)・崇弥(たかや)兄弟は世界を変える30歳未満の30人「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN 2019」受賞。
当日、日本ファクトチェックセンター、ファクトチェックイニシアチブ(FIJ)、BuzzFeed Japan News、読売新聞、NHK、ヤフーから誤情報・偽情報との闘いの第一線で活躍する関係者が参加し、日本での動向、この課題に関する報道や社としての対応、市民への啓発の取組などについて意見交換を行いました。
フレミング事務次長は訪日の機会にメディア幹部とも意見交換を行いました。NHKの林 理恵 専務理事・メディア総局長への表敬では、「1.5℃の約束」キャンペーンでのNHKと6つの民放キー局との連動番組の放送・配信や国連の「SDG Media Zone」への参画など、メディアとしての取り組みに加えて、NHKにおける温室効果ガスの削減など環境経営の取り組みについて説明を受けました。フレミング事務次長はNHKのこれらの取り組みに対して感謝を伝えるとともに、新型コロナウイルス感染症のパンデミックや気候変動などに関する誤情報・偽情報の蔓延や不信の増大に対処する上で、アジア太平洋地域を代表する公共メディアであるNHKは非常に重要な役割を担うとの期待を示しました。
フレミング事務次長は、日本での日程の締めくくりに国連大学主催のUNU Conversation のイベントに臨みました。演題は、“Cutting Through the Noise: How the UN is Building Trust in an Age of Disinformation”。偽情報が拡散する時代における国連の信頼構築のための取り組みについて講演しました。特に新しいメディアのトレンド、COVID-19パンデミックから学んだ教訓から、国連がコミュニケーション戦略をどのように再構築しているか、 国連大学のコミュニケーション責任者であるキキ・ボウマンさんとともに対話を通して説明しました。講演の後半では参加者からの偽情報に関する質問に答え、参加した市民の偽情報に対するさらなる理解に努めました。