国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

静岡の高校生たちのSDGs達成にむけたアクション:若者たちこそが世界を変える

2018年にSDGs未来都市に選定され、「SDGsを自分事に」と市民巻き込み型の啓発活動を推進してきた静岡市。今年1月を通して「SDGs Month」との名のもとに様々な啓発活動をラインアップ。1月11日には「SDGs Collection」としてステージあり、地元団体・企業・大学・高校のブースあり、サステナビリティに配慮した地元物産の販売あり、という大規模なイベントが開催され、国連広報センターの所長の根本と広報官の佐藤も足を運びました。

特に地元の高校生たちが学校の授業で、生徒会で、部活動を通じてSDGsを深く学び、自分たちが地域の課題の解決にどう貢献できるか積極的に関わり、ブース展示などでエネルギッシュに発表する様子に励まされました。

 

「タケアカリ」で竹林を守り、地元を盛り上げる

 

城南静岡高等学校・地域貢献部の生徒たちは、山間部の竹林が手入れがなされず地滑りなどを起こしやすくなっている問題に対して、「放任竹林」の竹を切り出してスタイリッシュな「タケアカリ」を作るプロジェクトを「アカリノワ」と連携して進めています。生徒たちが作った竹灯篭は、久能山東照宮や伊東温泉のイルミネーション・イベントに使われ、地元の活性化につながっています。

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城南静岡高等学校・地域貢献部の生徒から説明を受ける根本所長(左) ©UNIC Tokyo

 生徒たちは、活動のやりがいについて「厄介者になっている竹が美しいアート作品に生まれ変わり、作品を見ていただいた方の笑顔を見ると頑張ってよかったと感じます」と語ります。

 

また、活動とSGDsを結びつけることで、活動に対して新たな見方ができるようになったといいます。

「私たちが行ってきた活動は放任竹林という環境問題に対する取り組みだけだと思っていました。今回、SDGsについて学び、SGDsの視点から自分たちの活動を考えると環境問題だけでなくタケアカリを展示することで地域経済の活性化を促すことができ、これにより地域住民の方々に貢献できることを理解しました」

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城南静岡高等学校の文化祭にてタケアカリを展示 提供:城南静岡高等学校・地域貢献部

 

地域の人々と連携してオリジナル商品を開発

 

「『つながる』ことで人は元気になる」。これは静岡県立藤枝北高等学校の食品サイエンス部の生徒たちのモットーです。農家や食品会社と連携して、「米の花を紡ぐ物語」つまり糀(こうじ)にこだわって商品開発を進めてきました。静岡県浜松市北部の山間の町・水窪町と連携して、発酵・雑穀・ジビエを活かした食などを開発すると同時に、高校生たちが先生役となって醤油・酢・糀化粧水・発酵料理づくりなどの「発酵体験フルコース」を提供しています。

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生徒が作ったこだわりの糀を使用した試食品 ©UNIC Tokyo

 生徒たちは顔を輝かせながら自分たちの「天然糀菌」について愛情たっぷりの解説をしてくれました。食品サイエンス部の部長の望月香里さんは、活動のやりがいの1つとして「多くの人との出会いです。この活動をしていなければ、出会っていない方ばかりです。町を歩いていて声を掛けてもらったりすると、とても嬉しいです」と語ります。SDGsについては「将来のことを考えると、誰もがやらなくてはいけないことですので、多くの方にSDGsに対しての行動をとってほしいと思います」と話しました。

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藤枝北高等学校の生徒たちと話す国連広報センターの根本所長(右) ©UNIC Tokyo

 

今回お伺いした「SDGs Collection」では、生徒たちがSDGsを知ることにとどまらず、課題解決のアクションに乗り出している姿に、SDGsを広く一般に普及浸透する活動をしてきた者として大きな手ごたえを感じました。