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国連のさまざまな活動を紹介します。 

「持続可能な開発目標(SDGs)学生フォトコンテスト2018」受賞者へのインターン・インタビュー[第1回]

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 今年の国連デー(10月24日)に、国連広報センターと上智大学が主催する「撮ってみよう!身近で見つけた日本のSDGs」学生フォトコンテストの授賞式が行われました。今年で3度目となるSDGs学生フォトコンテストは、大学生、短大生、大学院生、専門学校生に加えて高校生も対象となり、600近くの作品が集まりました。なんと高校生は371名の総応募者の約6割に上りました。

授賞式後に、私たち国連広報センターのインターン5名(王郁涵、倉島美保、河野賢太、Jeremy Luna、大上実)が受賞者12名にインタビューを行い、写真に込めたメッセージや選んだSDGsに対する思いなどを聞き取りました。その結果を3回に分けて、皆様にお伝えしていきます。第1回となるインタビューでは、大賞(外務大臣賞)を受賞した星野雄飛(ほしの ゆうと)さん、入賞の渡部博明(わたなべ ひろあき)さん、菊池拓未(きくち たくみ)さん、欧紹焜(おう しょうこん)さんの4名を紹介します。

 

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集合写真 (前列)左より甲木外務省国際協力局地球規模課題総括課長、根本国連広報センター所長、阪元さん、久保田さん、星野さん、千葉さん、曄道上智大学学長、大野朝日新聞社映像報道部長、宮本ゲッティ―イメージズジャパン(株)マーケティングシニアマネージャー、関(株)ニコン経営戦略本部CSR推進部長 (後列)左より上智大学総合グローバル学部 植木教授、株式会社シグママーケティング部 青木さん、武藤さん、渡部さん、欧さん、黒谷さん、桑原さん、菊池さん、池田さん、吉田さん、朝日新聞社マーケティング本部 石田本部長、ゲッティ―イメージズジャパン(株)の党マーケティングマネージャー

 

大賞(外務大臣賞)「不調和」 星野 雄飛 (Yuto Hoshino)

上智大学文学部新聞学科2

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「海に打ち上げられたスーパーのカゴ。人類の歴史よりも長い時間をかけてやってきた宇宙からの光とダイナミックな流星を借景に恐ろしいほどの存在感を醸し出すプラスチック。この不調和な地球の現状を普段から見つめている風景写真の視点から考え直してみた」

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星野さん まず、栄誉ある大賞(外務省大臣賞)を受賞でき、とても嬉しく思います。SDGsフォトコンテストを知ったきっかけは、上智大学掲示板に貼っているポスターを見て知りました。昨年度は入賞できなかったので、本当に嬉しいです。普段は風景写真を撮る機会が多く、流星群と天の川の写真を撮るために、友達とレンタカーを利用して長崎まで旅行しました。浜辺で打ち上げられたプラスチックのゴミを見たとき、「これだ!」とSDGsのことを思い出しシャッターを切りました。

 

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星野雄飛さん(左)とプレゼンターの外務省の鈴木地球規模課題審議官(右)@授賞式

 

苦労したことは、流星をベストなタイミングで撮ることです。流星を撮るのにシャッターを10秒ほど切りました。流れ星というと“願い事”ですが、必死にシャッターを切っていたので、願い事をする余裕はありませんでした(笑)。真夜中の海に打ち上げられたスーパーのカゴを見つけたとき、宇宙からの光と街灯に照らされたプラスチックが本来存在しない場所にある不自然さを感じました。風景写真において、ゴミなどはフレームアウトする(画面から取り除く)ことが定石ですが、それを入れ込むことこそが自然環境を直視した表現だと考え、含めました。

 

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星野雄飛さん(右)にインタビューするインターン 大上

 

私が関心を寄せているSDGsのゴールは、14番(海の豊かさを守ろう)の環境問題です。プラスチックごみによる環境汚染問題が話題になっていますが、地球に悪影響を及ぼす製品をいかに日常的でないものにしていくかが私たちの課題だと思っています。

 

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プラスチック汚染―インフォグラフィクス―©国連広報センター 詳しくはこちら:http://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/beat_plastic_pollution/

 

また、11番(住み続けられるまちづくりを)に関する写真を応募しましたが、入賞できませんでした。将来は地方創生に携わりたいという思いがあり、みんなが住みやすい街づくりに貢献していきたいです。写真を通して街の魅力を伝えていくような仕事があればいいですね。作品の見どころは、流れ星や天の川といった壮大な宇宙の美しさです。また、それらとは不調和にあるスーパーのカゴから、地球の現状を一歩踏み込んで考えてもらえると幸いです。

 


プラスチックの海©国連広報センター

 

入賞 「芽生え」 渡部 博明 (Hiroaki Watanabe)

和歌山県立医科大学医学部6年

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「樹齢千年を超える屋久杉が多く茂る屋久島。多種多様の苔とともに新たな命が芽生えている。新たな命は、未来を覗く窓となる。豊かな自然はまだまだある。環境破壊だ、温暖化だ。どこか他人事なのは、身近なはずの自然を、まだ身近に感じれていないからではないだろうか。今あるものを大切にしたい」

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渡部さん 撮影場所は、もののけ姫の舞台となった「屋久島白谷雲水峡」で、ガイド付きハイキングをしていた際に見かけた光景です。人間は屋久島の自然に手を付けてはいけない決まりがあります。人の手から隔離された場所では、腐った木に苔が生え、そこに新たな命が芽生えます。自然はゆっくり、命を繋いでいく瞬間を目の当たりにしました。

 

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渡部さん(右から2番目)の作品を講評する審査員の大野 朝日新聞社映像報道部長(右)

 

SDGsとの出会いは、大学での公衆衛生の講義でSDGs について紹介されたときでした。SDGsの学びを深める中で、環境問題に強い関心を持ち始めました。環境問題を負の側面から取り上げられる機会が多くなってきていますが、人間と自然が共存していける社会ができるといいなと思いを込めて今回のコンテストに応募しました。

 

SDGs のゴール3番(すべての人に健康と福祉を)に関心があります。医療系に携わっているので、医師として貢献していきたいです。今回のフォトコンテストのおかげで、14番(海の豊かさを守ろう)と15番(陸の豊かさも守ろう)にも、強い関心を持つようになりました。人が作った社会に生かされるのではなく、自然とともに生きる未来を目指して、SDGsを私自身も実行していきます。

 

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渡部博明さん(左)とプレゼンターのゲッティ―イメージズジャパン(株)の宮本マーケティングシニアマネージャー(右)@授賞式

 

入賞 「何故あなたはそこにいて、何故私はあなたを見ているのだろう。」  菊池 拓未 (Takumi Kikuchi)

北海道稚内高等学校3

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「人間慣れしたキツネが餌を求めてか、私に近寄って来た。しばらくして何も得るものが無いと悟ったのか、道路の真ん中で退屈そうに座り込み、私を一瞥した」

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 菊池さん 高校では写真部に所属し、普段から写真を撮っています。今回の作品は、コンセプトを事前に決めて撮影に取り掛かった写真です。しっかりと準備して撮った写真が評価されて嬉しく思います。作品にあるキタキツネのように、多くの野生動物を写真に収めてきました。というのも、日本の最北に位置する北海道稚内市が私の地元であり、毎日野生動物を見る機会があるからです。市内には、大きな角を生やしたエゾシカが歩き回っており、とても自然豊かな環境で暮らしています。

 

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菊池さん(左)の作品を講評する審査員の大野さん(右)

 

野生動物の写真を撮っていると、多くの気づきがあります。動物を観察していると、それぞれの仕草や動きに違いがあり、彼らが個性を持っていることに気づきました。つまり、人に個性があるように、動物にも個性があるのです。人間も動物も公平であり、尊く、それぞれが輝いています。今回の写真では、キタキツネがジッとこちらを見ている瞬間を撮影したもので、何か意思のようなものを感じました。

 

フォトコンテストに参加して、SDGsを知りました。特に、14番(海の豊かさを守ろう)と15番(陸の豊かさも守ろう)に共感しました。私自身がそうであったように、作品を通して、多くの人々にSDGsに関する環境問題について関心を寄せてもらえるといいですね。

 

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左から国連広報センターのスタッフ 日下部、菊池拓未さん、インターン 大上

 

入賞 「川中の空」  紹焜 (オウ ショウコン)

[中国]九州大学大学院芸術工学府デザインストラテジー専攻1

 

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「-青い空・白い雲・静かな川・楽しい鴨-自然のバランスの表現です」

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 欧さん 見やすさと構図を意識して写真を撮りました。しかし、特に苦労はありませんでした。私はいつも携帯を使って写真を撮っており、日々の暮らしで「きれいだなあ」「落ち着くなあ」と感じた景色をカメラに収めています。写真にある綺麗な川は、ビルが立ち並ぶ街の中にありました。静かな川で楽しそうに泳ぐ鴨たちを見ていると、忙しい日常のストレスから解放されます。そんな心休まる風景をカメラに収めるように心がけました。

 

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欧さん(左)の作品を講評する審査員の大野さん(右)

 

関心を寄せているSDGsは、ゴール11番(住み続けられるまちづくりを)です。ビルや建物ばかりの都会で暮らしていると、自然を感じるのは簡単ではありません。日々の仕事や勉強など、現代人は様々な理由でストレスを溜めています。そうした日々の疲れを癒すために、自然に触れることが効果的だと私は考えています。都会に住んでいる人の多くはどこかで窮屈さを感じているかもしれませんが、日常のふとした瞬間に自然を感じられるような街があればすごく良いですね。私が中国から日本へ来たとき、日本の美しい四季と荘厳なビルのバランスに感動しました。私の作品を見て、日本の美しい風景を守っていかなければならないと感じてもらえると嬉しいです。

 

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欧さん(右)にインタビューするインターン

 

以上、4名の受賞者からのメッセージでした。

第2弾もお楽しみに!

 

受賞作品と授賞式の詳細はこちら:http://www.unic.or.jp/news_press/info/30802/