国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

国連ハイレベル政治フォーラム×SDGs×日本 【連載No. 4】

HLPFでの日本の市民社会の情報発信、そしてインタビュー 

 

みなさま、こんにちは。国連広報センターの千葉です。

 

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国連事務局ビルを前庭から見上げて
©UNIC Tokyo Kiyoshi Chiba



今年7月にニューヨークに出張し国連本部で取材したハイレベル政治フォーラム(HLPF)について、ブログを綴らせていただいております。

 

今年のHLPFでは、日本の自発的国別レビュー(VNR)はなかったものの、政府、ビジネス、市民社会など、日本の各セクターの方々がさまざまな形で、日本のSDGsへの取り組みについて情報発信をしておられました。

本ブログでは、そうした情報発信の様子や私が現地でお会いした日本人の方々をセクターごとにご紹介しています。

 

日本の市民社会 -SDGsジャパン

 

今回のフォーカスは、日本の市民社会です。

 

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SDGsジャパンのウェブサイト
https://www.sdgs-japan.net/

 

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*HLPFでの日本の市民社会の活動を取材するにあたっては、SDGs市民社会ネットワーク(SDGsジャパン)の稲場雅紀さんにご相談しました。SDGsジャパンは、日本の市民社会において持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みを進めるさまざまなNGO/NPOが参加するネットワークです。SDGsジャパンが産声をあげたのは2013年。SDGsの形成のための多国間交渉に日本の市民の声を反映させるために「ポスト2015NGOプラットフォーム」として設立されました。その後、SDGs採択翌年の2016年4月に再編成されて、SDGs市民社会ネットワークとして始動。2017年2月には法人格(一般社団法人)を取得され、今年8月現在、およそ100団体が参加するネットワークとして活動を展開中です。アフリカ日本協議会の代表で、SDGsジャパンの代表理事を務める稲葉雅紀さんは、安倍首相を本部長とするSDGs推進本部のもとに設置されたSDGs推進円卓会議のメンバーとして、日本の市民社会の声を代表すべく活動していらっしゃいます。稲場さんから、HLPF開催期間中にSDGsジャパンのメンバー団体が主催するサイドイベントやニューヨークに赴いた方々を紹介していただきました。

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今年のHLPFでSDGsジャパンのメンバー団体が主催するサイドイベントは二つありました。その一つは結核を、もう一つは子どもに対する暴力をテーマにしたものでした。両サイドイベントはいずれもHLPFの前半の週の開催ということで、後半の週にニューヨークに赴く私の参加が叶うことはありませんでしたが、稲場さんは後半の週にもニューヨークに残っていらっしゃるSDGsジャパンのメンバー団体のお二人をご紹介くださいました。

 

その一人は、子どもに対する暴力をテーマにしたサイドイベントの主催団体の一つであるワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)でアドボカシー(政策提言)を担当するシニア・アドバイザーの柴田さん。もう一人は、ジャパン・ユース・プラットフォーム・フォー・サステイナビリティ(JYPS)の運営委員会理事の大久保さんです。

 

子どもに対する暴力撤廃を訴える -WVJの柴田さん

 

まずは、WVJの柴田さんのインタビューからご紹介します。

 

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ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)の柴田哲子さん
©UNIC Tokyo Kiyoshi Chiba

 

実はニューヨークでのさまざまな活動にお忙しい柴田さんとお会いする時間を設定できたのは現地に到着してからでした。なんとかHLPF閣僚会合2日目のお昼前に1時間ほど、お時間をいただけることになり、私はその日のスペシャル・イベント、ビジネスフォーラムの午前中のセッションを少しだけ早く抜け出して、指定の場所へ急いで向かいました。ご指定いただいた場所はVienna Café。実は、私は1日目には国連本部ビル内で、いったいどの建物のどの階のどこら辺にどの会議場があるのか、なかなかわからずに迷ってばかりいましたが、2日目になるとようやくそれぞれの会議場の位置関係が立体的にわかってきて、Vienna Caféもすぐにわかりました。ビジネスフォーラムが開催された会議棟2階の経済社会理事会議場から、総会ビル地下1階のVienna Caféまでは少し離れていましたが、Vienna Café はハイレベル政治フォーラムのVNRsの会場として使われているConference Room 4の近くで、国連職員、外交官やNGOの方がたが利用できる喫茶スペースです。コーヒーやサンドイッチなどもカウンターで購入して食べることはできるのですが、その時間帯は、とても混んでいて、カウンターも長い行列。私はとにかく急いで二人が座れるテーブルと椅子だけを確保して、柴田さんをお待ちしました。当日、Vienna Caféは予想以上にひどく混雑し、人の往来も激しかったので、無事にお会いできるかなと心配しましたが、柴田さんが私を見つけてくださいました。

 

柴田さんは言葉使いがていねいで、凛としながらも物腰が柔らかい、とても素敵な方でした。

 

柴田さんは、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)が世界の子どもを支援するワールド・ビジョン(1950年創設)の想いを受け継ぎ、1987年に設立された国際協力団体であること、またSDGsジャパンにおいては、その他の4団体(国際協力NGOセンター、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、アドラ・ジャパン、アフリカ日本協議会)とともに、途上国開発全般・開発資金ユニットの幹事団体として活動されていることを説明してくださいました。

 

 

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そして、柴田さんは、WVJが今、SDGsの目標のなかでもっとも力を入れて活動していることの一つが、ターゲット16.2 (ゴール16のターゲット2)の「子どもに対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問の撲滅」であること、このSDGsターゲットについては市民社会の活発な動きがあり、日本政府も市民社会とともにこの課題解決に前向きな姿勢を示し、積極的な資金拠出などを行なっていることを話してくださいました。

 

今年4月に東京・品川のユニセフハウスで開催された、子どもに対する暴力の撤廃に関する、WVJを含むマルティステイクホルダーのイベントにもお話しは及びました。このイベントは、私も参加し、ブログで詳しく綴っておりますので、ぜひそちらをあわせてご覧ください。

 

子どもに対する暴力撤廃に向けて:『子どものための2030アジェンダ:ソリューションズ・サミット』参加報告会

 

柴田さんは、WVJの優先課題として、その他にも子どもに関する重要な課題がたくさんあるけれど、WVJは今年のハイレベル政治フォーラム(HLPF)で、子どもに対する暴力という課題にフォーカスをあてた情報発信を行うことを決め、国連事務総長特別代表事務所(子どもに対する暴力担当)、子どもに対する暴力撤廃のためのグローバルパートナーシップ(GPeVAC)、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンなどとともに、今年のHLPFのレビュー対象のSDGsゴール11(レジリエントな社会)」を考えて、「平和でレジリエントな社会のためのパートナーシップ:子どもに対する暴力撤廃を通じて」と題するサイドイベントを主催したことを話してくださいました。開催日は前半の週の7月12日、場所は、マンハッタン中心部にあるScandinavian Houseで、セーブ・ザ・チルドレンの堀江由美子さんや共催団体の代表者や中南米の若者とともに、柴田さんもパネリストとして登壇したサイドイベントだったそうです。

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7月12日のサイドイベントで共催者と一緒に
柴田さんは右から3番目
©ワールドビジョンジャパン

前述のとおり、私がこのイベントに参加することは叶いませんでしたが、柴田さんによれば、サイドイベントでは、政府、市民社会、研究者、国際機関など多くの方が参加され、日本における子どもに対する暴力撤廃のアドボカシーについて、とても意義ある発信、関心を喚起することができたそうです。日本の事例について多くの質問、意見交換も活発に行われて盛会だった、と柴田さんは振り返っていらっしゃいました。

 

昨年のハイレベル政治フォーラムにも足を運んでサイドイベントを開催されたという柴田さんが今年あらためて思ったのは、「ああ、やはり、HLPFでいろいろな課題に関して大切なイニシアチブ、政治的な動きが生まれている」ということだったそうです。世界の政府、ビジネス、市民社会の各セクターから多くの人たちが集まってくるハイレベル政治フォーラムのようなところで日本での取り組みを発信することの意義をニューヨークで強く感じていると述べておられました。

 

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サイドイベントで発言する柴田さん
©ワールドビジョンジャパン

さらに、柴田さんは、国連でSDGsが採択されてから、WVJにおける自らの動きかたにある変化がでてきた、と話してくださいました。その一つ目は、日本からニューヨークなどに出向き各国政府や市民社会、国際機関と対話をするなど、国際的なアドボカシー活動に関与する機会が増えたこと。そして、二つ目は、国内外で、今までは疎遠だった分野のNGOとの連携が増えたこと、だそうです。「これまで、WVJはセーブ・ザ・チルドレンなどのような開発・人道分野で活動するNGOとの連携は多くあったものの、ヒューマンライツ・ナウやヒューマン・ライツ・ウォッチといった人権分野で活動するNGOとの連携の機会は殆どありませんでした。でも最近はそうした人権NGOとも連携することが多くなり、それと同時に、WVJと自分自身の活動の幅が広がりました。今も広がりは増していて、そのプラスの影響はとても大きいと思います」と話してくださいました。

 

小学3年生の娘さんがいらっしゃるという柴田さんは最近、2030年というのは自分の娘が成人したころなんだなあ、とよく考えるそうです。一人の親として、大人として、世界の子どもたちにSDGsを達成した地球を引き継ぎたい、SDGsのターゲット16.2を達成するために頑張りたい、との強い思いをあたたかい眼差しで話してくださいました。

 

最後に、柴田さんは、ご自身が今、東京大学の大学院に通って「人間の安全保障」を学んでいることを教えてくださいました。子どもに対する暴力をテーマに論文を執筆し、実践と学問をつなげて貢献したい、との思いからだそうです。前日に星野大使から教えていただいた「人間の安全保障」とSDGsのつながり(連載ブログの第2回で紹介)の一端を私はこの日、柴田さんに見たように感じました。

 

子ども・若者としての意見を述べるーJYPSの大久保さん

 

次は、ジャパン・ユース・プラットフォーム・サステイナビリティ(JYPS)の運営委員会理事の大久保勝仁さんをご紹介します。

 

JYPSは日本の若者たちのネットワーク集団で、大久保さんはその代表です。

 

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日本政府代表のレセプションでJYPSのメンバーと
右から3番目が大久保さん、その左隣が筆者
©UNIC Tokyo Kiyoshi Chiba


大久保さんも柴田さんと同様にニューヨークでの活動に多忙を極めておられましたが、私がニューヨークに到着したその日の夕方であれば、どうにかお時間を割いていただけそうだことで、当日午後6時過ぎ、宿泊先のホテルにチェックインして荷物を置いてから、近辺の簡易食堂でお会いしてお話を伺いました。

 

大久保さんは背が高くて活動的なカッコいい青年であるとともに、気取りのない心優しい人でした。

 

大久保さんは、JYPSが日本の若者たちの緩やかネットワークで、若者の意見がさまざまな政策に反映されることを目的として活動を展開していること、そして、HLPFの場においては、「主要グループとその他のステークホルダー(MGoS)」の中で、子どもと若者の部門であるMajor Group for Children and Youth(MGCY)の中心的なメンバーのひとつとして活動していることについて、いろいろと話してくださいました。

 

持続可能な開発について議論する政府間会議の場であるHLPFにおいては、子ども・若者の主要グループ(MGCY)を含めて、女性、先住民、地方自治体など「主要グループとその他のステークホルダー(MGoS)」の参加が奨励されており、HLPFの開催形式など規定する国連総会決議(A/RES/67/290) によって、それらのグループはすべての公式会合に参加すること、あらゆる公式の情報/文書を入手すること、公式会合で発言すること、文書提出ならびに書式および口頭の貢献を行うこと、提案をすること、国連加盟国と国連事務局との協力によるサイドイベントや円卓会議を主催することを認められています。JYPSは日本の若者を代表して活動しているばかりでなく、世界の170か国の6,000を超える若者グループが参加登録するMGCYの中心的なメンバーとして活動を展開し、HLPFにおいて子ども・若者の声を届けるべく努めているのです。たとえば、昨年のHLPFにおいて、日本政府がVNRsに臨んだ際には、岸田外務大臣(当時)のプレゼンテーションのあと、タイ政府、カナダ政府の代表に続いて、MGCYから、大久保さんの前任者である小池宏隆さんが質問しました。

 

大久保さんは、JYPSがそうやって子ども・若者を代表して、実際にHLPFで意見表明を積極的に行っている存在であることを誇らしげに語ってくださいました。

 

 

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サイドイベントで発言する大久保さん
©JYPS

 

大久保さんによると、最近、JYPSの有力メンバーとして、「Japan National Young Water Professionals(Japan-YWP)」があらたに参加したということでした。Japan-YWPは、International Water Association(IWA)日本国内委員会(IWAの日本支部)の下部組織として、2010年3月5日に設立され、日本水環境学会、日本水道協会などと密接な連携をとりながら、上下水道・水環境に関連する分野の学術的研究・知識の普及・水環境保全への積極的な貢献を目的とした若手中心のプロ集団だそうです。子ども・若者といっても学生ばかりではなく、JYPSは、こうした若い専門家のネットワークも擁しているのです。Japan-YWPの参加もあり、今年のHLPFにおいては、大久保さんがJYPSを代表してSDGsのゴール6(安全な水とトイレを世界中に)に関連するサイドイベントでパネリストの一人を務めたそうです。

 

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最前列の左端が大久保さん
ユース特使は2列目中央の花柄ジャケットの女性
©MGCY

さらに、大久保さんは、他の国のユースとともに、国連のユース特使、ジャヤトマ・ウィクラマナヤケさんとの対談に臨み、世界各国のユースを取り巻く現状などに関する意見交換にも臨んだことを話してくださいました。

 

そして大久保さんは、JYPSのその他のメンバーの方々が活躍していること、サイドイベントのモデレーターを務めるたり、VNRsで発言したりするなどHLPFでいろいろな情報発信に臨んでいたことを熱心に話してくださいました。

 

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世界各国から参加した若者たちの集まり
セントラルパークで
©MGCY

現在、大学院で建築を学びながらJYPSの活動を続ける大久保さんの原動力となっているのは、大学生のときのスリランカへのバックパックの旅にあるそうです。

 

大久保さんがスリランカを訪れたのは大学2年生の冬で、カヌーに乗って行った先は、とても貧しい漁村。大久保さんが感激したのは、現地の人たちの精神的な豊かさでした。大久保さんは現地の人と一緒に食事をしたり、小さなバケツを使って身体を洗ったりして、現地の人に溶け込みながら、とても楽しいときを過ごしました。そして、物質的ではない、とても大切な何かを教えられたという思いをもって日本に帰ってきてしばらくしたころ、大久保さんはその村が台風で壊滅したことをニュースで知ります。大久保さんは、貧しいなかでも自分に対して心やさしく接してくれた村人たち一人ひとりの顔を思い出しました。気がついてみたら、大学を休んで、再びその村へと向かう自分がいたそうです。でも、現地につくと、大久保さんの眼前に広がっていたのは、政府によって封鎖される一方で、インフラも復旧整備もなかなか進まずに、村の人たちに対するケアは十分提供されていない状況でした。大久保さんはとても大きなショックを受けます。制度上の問題がある、と強く思ったそうです。

 

そこから、大久保さんの思いはどんどん強くなり、まもなく、HABITAT for Humanityという居住問題に取り組むNGOに加入するなど、行動を起こすようになったのです。

 

「自分はそんなに優秀な人間ではありません、でも、そんな自分が今、JYPSの代表となり、HLPFで若者の声を代弁しようと努めています。思いを持ち続けていれば、ひとは誰でも、何でもできるのです」と大久保さんは謙虚に、でも力強く話してくださいました。

 

―いまでも、スリランカの気が良くてやさしい人たちの顔が忘れられない、ほんとうに弱い立場の人が意思決定に参加できるしくみ、制度をつくりたい-

 

何度もそう語る大久保さんから、あつい本気がまっすぐに伝わってきました。

 

もう一つのサイドイベント 結核を終わらせるために

 

冒頭に申し上げた通り、今年のHLPFでは、日本の市民社会によるサイドイベントがもうひとつありました、結核に関するサイドイベントです。

 

冒頭に申し上げたとおり、このサイドイベントはHLPF前半の週の開催で、その主催団体であるアフリカ日本協議会の稲場さんも早く日本に戻られたことから、私自身が現地で参加したりお話をお聞きしたりすることは叶いませんでしたが、そのテーマの重要性は言うまでもありません。

 

簡単にご紹介いたします。

 

このサイドイベントは7月11日にニューヨーク日系人会ホール(マンハッタン中心部)で開かれました。

 

持続可能な開発目標(SDGs)はゴール3(すべての人に健康と福祉を)で、結核の流行を終わらせることをターゲットのひとつ(Target 3.3)にしていますが、サイドイベントは、国連総会で今月下旬に結核に関する会合が開催されることを視野に入れるとともに、今年のHLPFがゴール11(住み続けられるまちづくりを)をレビュー対象としたことを踏まえて、「結核への人間中心のアプローチ=より健康な都市と人間居住のために」というテーマのもとに開催されました。

 

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パネリストは、日本政府代表部の別所浩郎大使、ポーラ・フジワラ氏(世界結核肺疾患連合科学ディレクター)、レオ・バルンボ氏(国境なき医師団米国政策ディレクター)、マイク・フリック氏(「治療行動グループ」エイズ結核ディレクター)の皆さんでした。

 

このサイドイベントが視野に入れたのは、今月26日に国連総会で開催される、結核に関する初のハイレベル会合です。その会合のテーマは、「結核を終わらせるための連帯:グローバルな感染症への緊急の世界的対応“United to end tuberculosis: an urgent global response to a global epidemic”」。日本の別所大使が共同議長を務め、世界各国の首脳たちが結核対策強強化を目指して政治宣言を採択する予定です。

 

結核はほんとうに恐ろしい病気です。

 

卑近な話で恐縮ですが、私の母が結核に冒されました。私が7歳のときに父が脳溢血で他界し、それからしばらくしてから。母はまだ30代でした。小さい私は自宅でしょっちゅう母が血を吐く姿を見て育つことになりました。洗面器いっぱいに血を吐いて倒れる母を助けたくてもどうしてよいかわからず、ただ背中をさすってあげることと救急車を呼ぶことしかできませんでした。小さいころの私にとって、結核とは、母を苦しめる怖くて憎い病気であると同時に、すぐそばにいる哀しい母のことでした。病院に長期入院して治ったと思うとまた再発という繰り返しの状態が長い間、執拗に続き、完治したといわれてからも、母の肺が十分に機能することはありませんでした。がんをはじめ、生涯、病気続きだった母はけっきょく結核の痕跡が命とりになりました。

 

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総会ハイレベル会合のウェブページ
https://www.un.org/pga/72/event-latest/fight-to-end-tuberculosis/



今もなお、結核の流行は終わっていません。2016年時点で、世界じゅうで一年間に1,040万人が結核に感染し170万人が命を奪われているのです。

 

SDGsターゲット3.3 ― その達成を願ってやみません。

 

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ハイレベル政治フォーラム(HLPF)そのものの取材に関するブログは今回で終わります。次回は、ニューヨークで私がお会いした、SDGsを舞台裏で支える日本人国連職員の方々をご紹介します。

(連載ブログ 国連ハイレベル政治フォーラム×SDGs×日本)
第6回 ~ 国連ガイドツアーでSDGsの啓発促進
第5回 ~ SDGsを舞台裏で支える日本人国連職員たち 
第3回 ~ HLPFでの日本企業、経団連の情報発信について

第2回 ~ HLPFでの日本政府の情報発信取材と星野大使インタビュー
第1回 ~ ニューヨーク国連本部でみたハイレベル政治フォーラム