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国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

気象キャスターワークショップ@東京 -気候変動、どう伝えていくかー

国連広報センター、インターンの藤田香澄です。

 

この度、世界気象機関(WMO)と気候変動に関する政府間パネルIPCC)をはじめとするパートナーとが連携した「気候変動を考えるワークショップ」に、通訳として参加しました。11月末からパリで開催されるCOP21に先駆けたもので、11月11日(水)、12日(木)の2日間にわたって内幸町の日本プレスセンタービルで行わました。 ワークショップには日本、香港、韓国、クック諸島サモアニュージーランド、インド、ネパール、スリランカから計15名の気象キャスターが参加し、日本からはTBS「Nスタ」の森田正光さん、NHKニュースウオッチ9」の井田寛子さん、日本テレビnews every.」の木原実さんたちが参加しました。

f:id:UNIC_Tokyo:20151112134926j:plainワークショップの様子

f:id:UNIC_Tokyo:20151119103925j:plain気象キャスターによるグループアクティビティ

私は幼少期をツバル、キリバス、フィジーの太平洋諸国で過ごしました。小さい頃から太平洋における気候変動について学んできた私にとって、小国にも焦点を当てた今回のワークショップはとても興味深いものになりました。

 

ワークショップでは、両日とも、森田さんの通訳を務めさせて頂きました。人生初の通訳でとても緊張しましたが、森田さんの気さくなお人柄のおかげですぐに緊張が解れました。森田さんのそばで通訳をしながら、各国の気象報道について学ぶ機会がありました。例えば、韓国人の気象キャスターとのお話の中では、地球温暖化によってキムチ前線(キムチの漬け時を表す前線)の到来時期が年々遅くなっていることを知りました。このように通訳を通して学ぶことが多く、とても勉強になりました。

f:id:UNIC_Tokyo:20151119103920j:plain森田正光さんと

ワークショップで最も印象的だったのは、国際アグロフォレストリー研究センターのRodel Lasco氏が、2013年にフィリピンで甚大な被害をもたらしたハイエン(台風30号)の経験から、気象報道の社会的意義について言及したことです。「フィリピンには数多くの文化や言語があります。台風の被害を最小限に食い止められなかった原因の一つは、台風による『高潮』という単語が多くの地域で理解されなかったことです。報道側が、『津波のような波』が来ると報道していればより多くの市民が理解し、避難することで助かったはずだと思います。気象キャスターの今後の課題は、いかに現地の言語で地域の人々に分かりやすい情報を提供できるかです」と述べました。ワークショップには、IPCC報告書作成に関わった科学者も参加しており、気候変動のグローバルモデルからいかに、ローカルレベルの情報へとダウンサイズできるかが今後の課題であることを強調しました。

 

初日の冒頭で、WMOのMichael Williams氏は集まった気象キャスターにこう言っています。「気候変動はとてもあいまいで、難しいテーマです。気象キャスターの皆さんは、気候に関する知識もあり、テレビの前でのプレゼンス力もあります。視聴者の信頼を得ているキャスターの皆さんには是非、気候変動について分かりやすく発信していただければ、と期待しています。」

 f:id:UNIC_Tokyo:20151112165225j:plainコメントするMichael Williams氏

このワークショップでは、参加者それぞれが持つ役割を果たそうと努めているのがとても印象的でした。気象キャスターは、気候変動について分かりやすく伝えることで、地球温暖化の科学的データと市民を繋ごうと動き出しています。政府関係者は、科学的データと政策を結ぶことで、どのように気候変動に適応していくべきかについて取り組んでいます。気候変動という普遍的な課題の解決において、関係者が互いに協力して努力することの重要性を再認識することができました。

 

幼少期より地球環境問題について学んできたため、私は国連広報センターでのインターンとして今回のようなワークショップに関わることができ、とても嬉しかったです。COP21で世界各国がどのように協調して、新たな枠組みの合意に至るのか、今後の動向にも注目していきたいと思います。f:id:UNIC_Tokyo:20151119103917j:plain