国連広報センター ブログ

国連のさまざまな活動を紹介します。 

~ジャパン・クオリティーを世界に~

国連広報センター インターンの秋元七海と田中友樹です。2月19日、国連の調達システムについて国連事務局の担当者が概要を説明する、国連ビジネス・セミナー(外務省主催)に出席しました。このようなセミナーが日本で開かれるのは初めてのことです。国連が地球規模の課題に取り組むため、世界各国の企業から国連に対して総額約1兆6,083億円(2013年)の調達が行われていますが、日本からの調達額シェアは全体の0.8%(約123億円)にとどまっているそうです。日本は国連分担金を10%以上も負担しているのに、調達額シェアはこんなに小さいことにとても驚きました。

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国連事務局調達部本部調達支援サービスチーフ 三井清弘さん>

総合商社で勤務後、国連工業開発機関のJPOとして国連開発計画のトリニダード・トバゴ事務所で約2年間勤務。国連工業開発機関のウィーン本部を経て、1991年の9月に国連事務局ニューヨーク本部の調達部に着任。 

本セミナーでは、ニューヨークから訪日した三井清弘 国連事務局調達部本部調達支援サービスチーフから、企業の競争力強化、物品・サービスの効率的調達、そしてより多くの企業に国連の調達に参入してもらうことを目指しているとのお話がありました。国連は、これを調達改革の一環として位置づけています。

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セミナーには、幅広い業界から100名を超える企業関係者が出席。セミナー後の三井サービスチーフとの企業個別カウンセリングにも多くの企業が参加、国連ビジネスへの参画に対する関心の高さが伺えました。 

企業の中には、国連の一般的な活動から遠いイメージかもしれないエンターテイメント企業も参加しており、どのような思いで参加されたのか尋ねたところ、「今後、既存の商品に縛られず、国連とどのような形で連携できるか可能性を探りたい」とのことでした。このような、国連と企業の新たなビジネスチャンスの最前線を目の当たりにし、一致団結して地球課題に立ち向かっていく姿勢を真近に感じました。 

国連システムのうち、国連事務局の調達は年間3,000億円程の規模で、そのうち約8割が平和維持活動に使われているそうです。主な調達品目として、輸送サービス(航空機、船舶)、自動車、プレハブ住宅等の簡易住居、食料、燃料、医薬品、発電機購入、IT等が挙げられていました。 

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 同じ国連システムの中でも、機関によって必要とされる物品・サービスは大きく異なります。例えば、国連児童基金(UNICEF)世界保健機関(WHO)はワクチンを、国連世界食糧計画(WFP)は穀物などの食糧、その輸送のための車両などを必要としています。

各国企業がそれぞれ得意とする分野で国連からの受注を実現しています。さて、日本が最も貢献している調達分野は何だと思いますか。自動車生産大国の一つである日本からの調達は、自動車が中心です。 

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出典:国連事務局調達部

現在、国連の日本からの調達は、物品がほとんどを占めており、サービスの調達額は少ないそうですが、日本は質の高いサービスを提供できる能力を充分に持っているでしょう。“Japan Quality”の物品・サービスには世界から注目が集まっています。 

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セミナー後に報道機関の取材に応じる三井サービスチーフ

 地球規模の課題は、国連だけで解決することはできません。企業の調達面での国連活動への参加は、チャリティーやボランティアではなく、持続的にビジネスとして課題解決に貢献できるチャンスといえるでしょう。日本の企業にもぜひその高い技術を活かして、国連と共に世界の課題の解決に積極的に取り組んでほしいと思いました。

 ・国連事務局調達部(英語

 ・国連事務局調達部モバイル用アプリケーション ダウンロード

 ・調達マニュアル(英語、フランス語、スペイン語

 ・国連統計局(英語)

 ・国連とビジネス(外務省ウェブサイト)