国連広報センター ブログ

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「出会い」にあふれた4ヶ月:私のUNICインターン経験

こんにちは!この度、UNICでの4ヶ月間のインターンシップを終了しました内藤春香です。将来国際機関で働くことを目標とする私は、「国連で働くとはどういうことなのか、実際に経験してみたい」という思いで、このインターンシップに応募しました。結果的に、UNICはこの思いを実現するのに最適な場所だったと考えます。国連を統括する事務局という機関に属するUNICで、広報という多角的な仕事に携わったからこそ、国連の多様な働きを俯瞰的に見ることができたと感じています。

 私がこの4ヶ月で得たもの、それは「出会い」という一言に尽きます。

 第一に、私は、国連には各国政府以外にも様々なステークホルダーが関わっていることを学び、それを代表する民間企業や教育機関との出会いを経験することができました。そのきっかけの一つは、国連グローバル・コンパクト・ジャパン・ネットワーク(GC-JN)国際労働機関(ILO)と共に進めた、「児童労働プロジェクト」です。児童労働に関するリサーチを進める中で、サプライ・チェーンにおける児童労働を撤廃するためには、政府や市民社会だけではなく、企業一社一社の貢献も不可欠であると気付かされました。また、国連アカデミック・インパクト・ジャパン(UN-AI Japan)のウェブサイト翻訳に携わり、教育機関と国連の連携についても学ぶ機会を得ることができました。UNICでインターンをするまで、「国連は主に政府間交渉の場」というイメージを抱いていたため、民間セクターや教育機関との協働を知ることで、改めて国連の活動の広さを実感しました。(これらは今後公開されていく予定なので、ぜひUNIC、GC-JN、UN-AI Japanのウェブサイトをチェックして下さい!)

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 ▲9月にNYでサミットが開催される気候変動の問題においても、民間セクターの協力は不可欠となります。GC-JNの皆様と。 #Climate2014 

第二の出会い、それは世界各地の最前線で活躍する国連職員の方々とのものでした。UNICの重要な仕事の一つは、国連の高官が来日した際に、記者会見やメディアとのインタビューを設置することです。そのような機会に同行し、臨場感にあふれる現場からの報告を聞けたことは、世界各地の諸問題の「今」を知る上で非常に有益でした。また、6月に開催された「中東和平国際メディアセミナー」の際に、NYの国連本部で働く広報局の職員の方々と仕事をすることができたことは、私のインターンシップのハイライトとも言えるでしょう。このイベントのロジスティックス管理は非常に大きな仕事でしたが、2日間にわたる大規模なイベントが終了した後の達成感は、その苦労を遥かに超えるものでした。また、イベント後にNYから来ていた職員の方々に東京の街を案内したことも、楽しい思い出となっています。 f:id:UNIC_Tokyo:20140902175208j:plain

▲中東和平国際メディアセミナーにて 

国連職員の方々とのたくさんの出会いの中で、特に思い出深いのは、日本人職員の方々とのものです。UNICホームページの「国連職員の声」という連載企画に携わり、職員さんへのインタビューと掲載記事の編集を行いました。様々なキャリアパスを経て、国連で活躍している職員のお話を聞き、私が学んだのは、「正解はない」ということ。学生時代から国連職員を目指している方もいれば、たまたま好きなことを突き詰めていったら国連へ辿り着いた方もいる。大学卒業後すぐに国際協力の道へ進んだ方もいれば、長年、民間企業で国連とは遠い仕事に従事していた方もいます。しかし、共通しているのは、確固たる信念を持っているということでした。貧困をなくしたい、紛争をなくしたい、女性のエンパワメントに貢献したい、地球温暖化を止めたい、などの「世界をより良い場所に変える」という思いを皆さん抱いており、その真っ直ぐな姿は、国連を目指す私を勇気づけてくれました。

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▲左:国連リベリア・ミッション(UNMIL)モンロビア事務所ミッションサポートスタッフの池田明子さんと(筆者左)

▲右:国連本部経済社会局統計部副部長の大崎(富田)敬子さんと(筆者左側中央)

 そして第三に、私はこの4ヶ月間で、たくさんの志高き中学生、高校生と出会うことができました。UNICの「国連訪問」というプログラムでは、修学旅行や校外学習で国連大学ビルを訪れる中高生を対象に、国連やUNICの活動を紹介するガイドツアーを実施しています。生徒さんたちが、話を聞きながら必死でメモを取る姿や、「この中で、将来国連で働くことに興味がある人はいますか?」という質問に対して元気よく手を挙げる姿を見て、たくさんのエネルギーをもらったと同時に、私も負けてられない!という気持ちになりました。 

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▲「国連訪問」のガイドツアーを行う筆者 

そして最後に、私のインターンシップ経験は、このUNICで出会った職員さん、インターン仲間なくして語ることはできません。たった7人という少人数で、「日本の皆さんに国連の活動についてもっと知ってもらう」という、重要かつ大規模な仕事をこなすUNICの職員の方々。UNICの業務に関しても、キャリアのことに関しても、親身に相談に乗っていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。そして、日本、ドイツ、イギリス、インド、中国、デンマーク、オーストラリアなど様々なバックグラウンドを持ち、大学生、大学院生、社会人と立場もバラバラでありながら、毎日ともに仕事を行ったインターン仲間たち。UNICオフィスの真ん中に存在する「インターン島」はいつも笑いが絶えず、お互いの仕事を助けあう声が聞こえてくる、非常に素敵な環境でした。 

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▲UNIC職員とインターン仲間と(後列中央左が筆者) 

私は現在大学生ということもあり、週5フルタイムの勤務が求められるこのインターンシップに応募することを躊躇したのは事実です。しかし、夜間やオンラインの授業を取ることで、学業とインターンシップを両立させることができました。このブログを読んでくださっている大学生の中でも、インターンシップ応募を検討している方がいましたら、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。そして私と同等、もしくはそれ以上の素晴らしい経験を得てください!

 UNICで得た学びを活かし、今後私も「世界をより良い場所へ変える」ことができる人間になるため、精進していきたいと思います。UNICで経験した全ての出会いに、心から感謝を申し上げます。4ヶ月間、本当にありがとうございました!!