初めは、ビジネスについて何もわかりませんでした。ビジネスのやり方を学ぶためにアメリカへ行き、MIT Enterprise Forum, Pan Arab Region主催のアラブ・スタートアップ・コンペティション(Arab Startup Competition)に参加しました。そこでは、MITの教授や2億円を稼いだ起業家と出会い、「ビジネスってなんて壮大な世界なんだ!」と触発されました。そして、私も「SunBox」を始めたのです。クラウドファンディングで資金調達し、「Green Cake」では9人、「SunBox」では10人を雇いました。そこからビジネスは進んでいきました。
ルイス:私にはいろいろな目標と夢があります。ブラジルではまだリサイクルのノウハウの認知度が低いため、来日前にリサイクルのやり方と重要性を広め意識づける活動を開催する準備をしていました。準備は万端なのでブラジルに戻り次第、再び始める予定です。長期的な目標としてはこのプロジェクトをより広範囲に、各地域に合った手段で広めていきたいです。今回大賞(外務大臣賞)を受賞した「“WOMAN OF COOCASSIS!” (リサイクル品を回収するCOOCASSISの女性)」はブラジルにとって持続可能なリサイクルの道への第一歩になると思います。
ルイス:私はデヴィッド・ボウイの大ファンです。彼の代表曲のひとつに「ヒーローズ」という名曲があります。そこで彼は「僕らは英雄になれる、一日だけなら(We can be heroes for just, just for one day)」と歌っていますが、もし自分がボウイさんだったら、「僕らは毎日英雄になれる(We can be heroes everyday)」と歌いたいですね。なぜなら、リサイクルのような一人一人の日々の小さな行いが、いつの日か身を結び、世界をよりよい方向へ変えられると信じているからです。
天気が徐々に悪くなり雨が降り始めると、彼は何度も、「I feel like I am in the wonder land(まるで今ワンダーランドに来ているようだ)」と、私たちに「日本に来たんだ」という感動を伝えました。私たちにとっては、渋谷も、雨も、見慣れた景色でしたが、彼の言葉で日常が非日常になった瞬間でした。